増本アキラ

カシャッ。 乾いた音が景色に溶けていった。少女は今日も古ぼけたカメラを首から下げて、各地を旅行する。彼女が、彼女と出逢い、彼女になるまでの、物語。

彼女の触れられる温かなものは、毎晩嗜む紅茶だけだった。 上巻、下巻と書いた作品の、描いていない空白の時間を書いてみました。

襟巻き巻いて、長い上着羽織って、仕上げに眼鏡を顔に乗せたなら、靴紐結んで風の中。 詩になりきれない言葉を弔ってやらなきゃならない。自分の生んだ言葉の墓は自分で掘ってやらなきゃな…

サマーバケーションを利用して、両親とともに博物館巡りのツアーに参加した少女【ルティ】は、とある博物館で元気いっぱいの少女【ダリア】と、優しい青年【パティー】に出逢った。三人で博物…

斜陽が映える駅のホウムに、しかめっ面の気難しい男が一人。男は、大嫌いだった故郷へ向かう列車を待っていた。 誰だって、大勢の他人の中に自分を見出す。彼もまたそうでした。

だが筆者は、この絶望と後悔を乗り越えた。そしてその歴史を繰り返した。

出版社に勤める厳格な【私】の家に【ねこ】がきた。初めは受け付けなかったが、次第に【私】は【ねこ】と莫逆の友となっていった。

ペンギンは暗闇の中で目を覚ました。強い衝撃の後のことは何も思い出せなかった。 【以下、筆者の妄言】 Ｔｗｉｔｔｅｒのフォロワーさんのつぶやきの見間違いでいきなり現れた物語です。喉…

地元を流れる身近な川で【私】は友達と夜釣りをした。あの時の肉まんの味とあたたかさは、今でもよく覚えている。

地元を離れ、都会で青春を送った【私】。そんな【私】を迎えたのは、地元の景色と、あの日と似たような空。そして…。