番外編に、芹沢一派の平間さん、平山さんが登場しますが。
二人とも、どんな人間だったかは、全く記録が残っていません。
そのせいもあり、浅田次郎さんの輪違屋糸里での、最高にかっこいい平山さんが、私の頭から離れずにいます。
あんな善人なはずはないのですが(やっていることがやっていることなので)ヤンキーで、頭が悪いけど、妙に気がいい、というのが今現在の、私の中での平山さんのイメージです。
主人公の糸里が、土方歳三さんの残酷さ、不誠実さに呆然としているときに。
吉栄さんを心の底から愛している平山さんが、「優しいというのはべつに褒められたことではなくて、いらない苦労をすれば、誰でも優しくなるから。土方もいつか優しくなるから、気長に待て」といったことを優しく伝えるシーンは、小説の中でも随一の名シーンの一つでした。
番外編の中で、平山さんが叶えたい夢があると言ったのは、吉栄さんの身請けのつもりです。