もうかれこれ10年以上WEB小説家やってるから分かるんですけど、人って「自分が作りたい」情熱の前では「お客が欲しい」を跳ね飛ばしちゃうんですよね。作ってる本人は分かりませんが、よそから見ると桜井政博氏の「……こりゃあ『マリオカート』でよいですね」ってなる事の多い事多い事。
「娯楽は2番煎じじゃダメ」なんですよ「〇〇のようなものを作った」のなら「オリジナルの〇〇を見た方がよくね?」ってなりますので。こんな事言っても猛烈なブーメランだけどさ。
例えば任天堂は「女性向けのゲームをオッサンたちが作ったら、最初に女性社員にやらせてダメ出しされた箇所を全部言われた通りに修正してから出す」そうです。他にも宮本茂氏は「肩越しの視線」で世界に名高いクリエイターですよ(もちろんそれだけじゃないでしょうが)。
いわゆる「お客様目線で」って言いますけど「肩越しの視線」は貴重かつ、とても分かりやすい具体例だと思います。
これが出来るだけで任天堂は世界を獲れるし、宮本氏は「世界のミヤモト」と呼ばれる人物になれるんですよ。
こうやって文章にすると「たったそれだけの事?」って思うでしょうが、実際に現場に立ってみると出来ない。本当に出来ない。
「お客様目線で」って言うけどそれが出来れば苦労しないわけで、もしも「お客の欲しいものが分かる」なら俺はとっくの昔に映画化作品ブチ当てて左うちわだよ。
灼眼のシャナやハルヒが全盛期だった頃は、みんなそれっぽい作品ばかり投稿してきて「もっと自由に発想してもらいたい」って審査員に言われたそうですし、
月姫が当たった時には応募賞にみんな揃って吸血鬼物を賞の応募に送って来たけど審査員が言うには「どれもこれもがオリジナリティがカケラも無かった」そう。
禁書目録が大ヒットしてた時は、一説には「賞への応募作の8割が学園都市異能バトル物」だったそうで、みんな作りたいものを作るのを優先しちゃうわけです。
「じゃあシャナでいいですね」「じゃあハルヒでいいですね」「じゃあ月姫でいいですね」「じゃあ禁書目録でいいですね」っていう問いに答えられないんですよ。
「これはパクリじゃない。ブラッシュアップなんだ」って言うけど実際にはただの劣化版で「クオリティが低い事だけが個性」っていうのが現実でして。
こう言ってもみんな作っちゃうけど「下手な人間が既存の作品に手を加えると良くなるどころかむしろ劣化する」のはとても良くある話なんですよ。
自分としては「進化系」だと思ってるけど実際には「退化系」になってる。って事は創作にとって当たり前のように良くある話なんですよ。
「それ含めて創作だよね」って言うけど、みんな最初はこれをやらかすらしいです。というか、俺も昔はそうだった。
そもそもの話「ブラッシュアップ」とか「アップデート」とか横文字並べて知的ぶってる連中には分からないだろうけど、
お前たちのやろうとしてる事って「1次創作よりも面白い2次創作を作る」行為だからね。
「ワンピースよりも面白いワンピースを作れるか?」「スパイファミリーより面白いスパイファミリーを作れるか?」って話だよ。分かってんの?
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