今から恥を忍んで独白しましょう。文章としてまとまっているかどうかは分かりません。もちろん推敲して最低限、読み物として出せる出来にはしていますが……。
タイトル通り私、あがつま ゆいは今まで自分の事を『選ばれた天才』だと思っていました。凡人とは違って、特別で、スペシャルで、他の人には無い『何か』を持っている。
その『ありもしない何か』を探して無駄な遠回りを39後半になるまで重ねていました。
小中高と学業でいい成績を残せたため、それだけを根拠に自分は他人よりも優れていると勘違いしていました。
また当時はADHDやアスペルガー症候群という言葉を知らなかったため「自分は他人とは違う」と日々思っていましたがそれを「自分は天才だからそうなんだ」と盛大に勘違いしていました。
今となっては『たかがテストの点がいいだけの変人という名の基地外』で、テストの点の高さで天狗になってただけでしたが、それでも勘違い出来たので良かったのです。
「勘違い出来た」これが本当に重要で、これさえできればあとはどうでも良かったんです。
大学を出た後は地元に戻って会社に就職したのですが「テストの点数」を「年収」に置き換えて、カネを稼げれば天才になれるんだ。と思って
今考えたらそんな話を信じるだなんてバカじゃないの? っていう怪しいネットビジネスに300万円つぎ込んでパーにしてしまい、
以降天才メンタルをクラッシュさせて10年以上にも及ぶ「死にたい」とのお付き合いが始まったわけです。
「天才だったら絶対ハマらない落とし穴にはまってしまった」事が死ぬよりもつらくて。でも死ぬのは怖くて痛くて嫌だから死ねなくて。それでも自分は天才だから。そんな板挟みになって苦しみ続けていました。
その後でも何とかお金さえ稼げれば逆転できると思って他のネットビジネスを渡り歩いても物にならず、株を教えてくれる師匠の下についても「辞めちまえ」と言われて破門される。
と、散々な事になってましたが『それでも』自分は『自分だけは』天才だ、ギフテッドだ、特別な何かだ。何かしら才能はあるんじゃないのか? っていう思いが頑固にこびりついて離れませんでした。
それこそ「通りすがりの人でさえ思わず手や足を止めて『おおっ! 凄い!』って褒めてくれて、毎日胴上げしてくれる」そんな天才になりたかったんですよね。
「自分は特別な選ばれた天才のはずなのに天才っぽい所がどこにもない」事が何よりも苦しく、死んだ方がましと何百回何千回と本気で思っても「何故か」死ねず、
そうやって「ああでもないこうでもない」と悩む姿を見て「天才だったらこんなに悩まないだろ」って思って余計に死にたくなるという地獄の無限ループが続きました。
『ただ生きているだけでどんどんあるべき姿である天才から離れてしまう自分』がとてつもない絶望でしかなかったんです。
その無限ループに終止符が打てたのはある日仕事中にふと「天才は失敗を恐れない。お前は失敗を恐れている。だからお前は天才じゃない凡人だ」っていう天啓が降りてきたんですね。
今まで何を言っても「違う! そんなの違う! オレは天才だ! 天才なはずだ! そうでないとダメなんだ!」って拒絶していたんですがその言葉だけはするりと心の最深部にまでに入ってこれたんですね。
「ああそうか。そうだよ……なぁ。ああそうだ。じゃあオレ確かに天才じゃないわ。凡人だわ」ってあれだけ「お前は天才じゃない」という言葉を拒絶し続けていたのが、素直に話を聞くようになりました。
正直とんでもない遠回りでした。何せ「自分は天才では無かった。自分は凡人だった」と気づくのに39年強かかった、長い長い、本当に長い遠回りでした。
ちなみに執筆活動も何割かは「自分は天才であることを証明するために」書いていたため『創作意欲が「ボンッ!」と消し飛ぶ』程じゃありませんが、何割かは失われたのは事実です。
完全に意欲が消えたわけじゃないし、世に出したい作品はまだまだあるので執筆活動は続けますが。
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