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音と心と味。

 
 私は284だから。
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 『言葉は音』らしい。
 『人間は心』らしい。

 そして、そこには味があるらしい。
 
 なんて小説っぽい書き出しから始めてみます。

 私は数が好きです。特に『意味』のある数が。
 人は何でもかんでも意味を求めがちだと聞きます。タイパがどうのこうの言われる現代もそうだし、昔から人生の意味を追い求める人間の多いこと。

 まあ、つまり私もその種類の人間ってことです。

 6、28、496、8128

 これは完全数の並びです。完全数とは簡単に言えば自身を除く約数を足していくと自身になる数のことです。

 6 (= 1 + 2 + 3)、28 (= 1 + 2 + 4 + 7 + 14)、496 (= 1 + 2 + 4 + 8 + 16 + 31 + 62 + 124 + 248)
 すごいわくわくしますよね。

 これに対し、数学好きがよく言う綺麗で美しいという感覚を私は持ち合わせていませんが、こういう数には味がする気がします。
 他にもナルシスト数、友愛数、フリードマン数、カプレカ数も。偉人のエピソードで意味が生まれた数なんかも好きな味です。

 他にも52と言えばトランプですよね。トランプのすべての数は足したら364でジョーカーの一枚を足せば365。予備の一枚も足せば366で一年を表す数になっています。
 こういう数学的な性質ではない数も好きです。42といえば千手観音像の一般的な腕の数だとか、逆にそれに10をかけた420は大麻の隠語だとか。
 小説でいうと35といえば直木賞の直木三十五とか。



 数があって、連想されるエピソードがあって、味がある。
 私はそんな数の世界が好きです。




 私と同じ人には恐らくわかるでしょう、この問題の味が。私が感じたのと同じ味が。
 もし、この味が分からない人がいても別にいいんです。それはそれで。

 でも、きっと分かった人は220であるはずです。

 

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