• 創作論・評論
  • ミステリー

超短編:「冬ちゃんと陽子ちゃん」「ミフユと肇くん」

ミフユ:ねえ。そういえば政見放送。さり気なく本気で何か言ってない?
陽子ちゃん:ん?あ、あれ。親しまれていいじゃない。
ミフユ:『ちょっとズボラな所がありますが』のどこが親しまれるのかなあ。
陽子ちゃん:だって、三つ編み勧めても試そうとしないし。お料理への執念はご家族の影響だと思うけどもう少し冬ちゃんのお母さんを見習って着飾ればいいのに。
ミフユ:それがズボラって評価の根源ね。あんまり考えた事なかったな。
陽子ちゃん:冬ちゃん、たまにはファッションも考えた方が良いよ。



ミフユ:肇くん。政見放送の応援演説の時はすごっく感謝してるけど本音言いすぎじゃない?
肇くん:『やる気を出せば出来る子』か?単なる事実だよ。
ミフユ:どこが!
肇くん:だって1年生の文化祭の時は俺が振るまで何も言わなかったくせに、一瞬でクラスメイトの意見全部燃やし尽くしてそこに自分のアイデアぶち込むとか。普段から興味持ってくれてれば俺の苦労は大分なかったはずだぞ。
ミフユ:そうねえ。あの頃はまだクラスメイトに言うほど興味なかったな。
肇くん:ほら。それが『やる気出せば出来る子』のいい証明だと思わないか?
ミフユ:(歯ぎしり)
肇くん:安心しろ。秋からお前は変わったよ。ほれ、生徒自治会規則改正案、チェックした。不味そうな所は朱を入れたから確認して再修正するなりしてくれ。

コメント

コメントの投稿にはユーザー登録(無料)が必要です。もしくは、ログイン
投稿する