もう一人の妄想の対象:朝日姫

築山殿は悪女のイメージが先行しすぎていて、私は逆に想像力が刺激されるんだけど、実はもう一人、いつか書いてみたい女性がいます。

朝日姫(旭姫)。

秀吉の妹。どうしても家康に上京させて諸侯の前で臣礼を取らせたかった秀吉が、窮余の策としてもう40歳もすぎた、実際に夫もいる朝日姫を無理に離婚させて家康と縁組させたって人です。

なので家康の生涯に正妻は二人いたけど、どっちも普通のご縁でなかったってことですね。

朝日姫はこれまでの小説などでは、出世しすぎたお兄ちゃんの都合で何度も結婚させられ離婚させられたかわいそうな人、って書かれ方をしていることが多いです。ふうん。そうなの?

秀吉って実子は晩年まで恵まれなかったけど(あれを恵まれたと言っていいかもビミョーだけど)、養女は何人かいたし、弟秀長には実子の娘が二人いたらしい。

ならなんぼ窮余の策って言ったって、人生50年といってた時代の44にもなった初老の、しかもその時点でちゃんと夫のいた女性を離婚させて白無垢着せて家康の奥さんに仕立てるよりは、なんぼか他にやりようがあったはずでしょう。

だけどこれがもし、朝日姫本人の意思だったとしたらどうでしょう。ほらなんか面白そうになって来た。一通の手紙も、一片の和歌も残しておらず、かつ、美人とか才女とかいう評価も残っていない人です。そこからかえって人柄が想像できるような気がします。

この人を主題にして短編を書いてみたいと思っています。


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