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スクールカーストと青森、それから進捗の話

 最近読んだ本。『石黒くんに春は来ない』武田綾乃著。
 スクールカーストの描き方が生々しくて感動。教室の中心に居座っている連中は当然のように人間を格付けして、下の存在から無自覚に居場所を奪っていく。ああ、そういえばこんな感じだったなとヤななつかしさに浸ってしまった。
 そういう上位の連中に対して復讐を試みるストーリーなんだけど、感じ悪い陽キャどもをやっつけてめでたしめでたし……で終わらないのがこの作品のいいところ。久住本人からすればただ普通に生きていただけのつもりなんだろうな。爽やかとは到底言えないんだけど、衝動や劣等感にこそ青春の本質が宿る気がする。


 12月の頭には青森に行きました。amazarashiのライブがあったので。あつらえたように雪なんかも降って、気分は上がるけど滑りそうで怖いしいいんだか悪いんだかという感じ。
 せっかくだからと思って宿は浅虫温泉に取りました。温泉から海を臨めるいい宿です。
 翌日、浅虫水族館へ向かう道中、浅虫温泉駅前の一等地に廃ホテルがあることに気づき、雪も相まってうらぶれた雰囲気を醸し出すその様に思わず足が止まりました。特急も停まった駅も今では長いホームを持て余す無人駅です。いい所なんですが、熱海や草津のようにはいかんなあ。
 物寂しい雰囲気も味だなあなどと呑気に楽しめるのは一介の旅行者にすぎないからで、現地の人にとってすれば死活問題。終末モノの漫画が都市を旅しているのを見ながら、現実の終末はこういうところにひたひたと迫っているのかなあと思いました。みんな行こうよ浅虫温泉。
 添付した画像は青森市街の善知鳥(うとう)神社です。


 創作の近況。
 新作は4編に分けて、それぞれをまとめて投稿したいなと思っています。最初の1編はプロットを(だいたい)仕上げたのですでに執筆にとりかかっていて、1月くらいに投稿する心算。残りは大まかになにを書くかくらいは決まっているんですが、まだ手を付けていない状態。気長にお待ちいただきたく。

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