一次創作オンリーイベント「はろー、わーるど!」当日となりました。
pictSQUAREとういうサービスを利用したオンライン即売会なのですが、カクヨムの規約的にURLを貼っていいのか微妙なとこなので、興味がある方は自力で検索してみてください。
戸松はSolanus[ソラナス]というサークル名でえ-2に配置されています。
11時開場20時閉場なので、よければ遊びにいらしてください。
わたしはけっきょく短編を2作書き下ろしました。
3作書くと言ってたので計画の2/3は達成したということになります。
1作は企画内「短編お宝探し!」用で、会場内のどこかの水晶玉に触れると読めるみたいです。
前回も書きましたが、読み手に噛みつくような話なので覚悟の準備をしておいてください。
で、肝心の出展用に昨日の夜、というか日付が変わって今日未明まで書いていたのが「復活のプリームラ」という話です。
BOOTHでPDF配布という形を考えてたんですが、そこまでやる時間がなかったので普通にいつも通りここで公開します。
イベント開始が11時なので、それと同時に公開されるよう設定しています。
本当はもう1作、折本用の掌編を書き下ろす予定だったのですが、スケジュール管理の甘さが祟ってできませんでした。
「復活のプリームラ」ですが、わたしらしくも新しい試みがある話になっているかと思います。
内容としては、いつもの家出、お散歩小説で、家出して特に何をするわけでもなく劇的な展開も起こらない地味な話です。
「芽」に収録されている「丘の上の魔女」とか「氷川さんと櫻子さん」、あるいはロケーションまで同じの「チェリ子の春」みたいなことを4倍、5倍くらいの文字数でやっています。
つまり、埼玉小説です。
語り手にほとんどしゃべらせないというのも、近作でよく使う手法なのですが、今回は語り手を使用人とすることで、一歩後ろを歩く慎ましさの演出に使えたかなと。
最後まで読むと、すごく重要なことが宙吊りのまま終わってしまうのですけど、それもそういう個人的な部分を出す立場の語り手ではないからです。
けっきょくどうなのってとこは皆さんの想像にお任せしたいところです。
が、作者の中では明確な答えがありますしそれをイメージして書きました。
最初は叙述トリック的に回収するつもりだったんですけど冗長になるので行間で処理してます。
そういう曖昧な部分も残しつつ、ある程度解像度が高いキャラ描写をしてみようとしたのがこの話なのですが、どうでしょうか。
最初はもっと同じお散歩小説の「ハクチョウ」のようにゆったりとした、会話中心の構成にするつもりだったのですけど、けっきょくいつものフラッシュバック芸に頼ってしまいました。
意識の流れという手法的というか、初稿では章分けもせずシームレスに現在と過去を行き来する話でした。
読みやすさを考えて、それはやめたんですけど、過去と現在が混在した話ではありますし、今現在起こる出来事をじっくりと描写していくという王道的な手法は今回も使えませんでした。
これは短編だから、というのもあるんでしょうけど、そういう話ってなかなか書けないんですよね。
どうしても過去とか背景に頼ってしまう。
構成を考える上で、どうすればそういう話になるのか、持ってけるのかっていうのがわからないんですよ。
時系列通り順を追って、その過程をつぶさに描いてその臨場感で引き込むという王道的な小説作法には憧れもあるんですがつくづく向いてないなと。
あと怖いのが、この話は下調べもせずに書きはじめて最後にちょっと裏を取っただけの内容ということです。
いつもの埼玉要素はともかくとして、今回、ロシア語の台詞がかなりありまして、それ全部機械翻訳なんですよ。
しかもカタカナ表記。
キリル文字のままって形も考えたんですけど、音が想像しづらいのとバランスの問題でこうなりました。
後、カタカナにする方が手間かかりますしね。
その方がかえって知らない人にはそれっぽく見えるかなと。
いちおう、話者はいずれもロシア語が母語ではないので拙くて当然という言い訳もあっての機械翻訳&カタカナ表記なのですけど、詳しい人が見たら本当にむちゃくちゃかもしれません。
ロシア語って英語みたいにカタカナの発音がそこらに転がってるわけでもなくて、探しても見つからなかったときは一つ一つ地道なリスニングでカタカナ化しているのですよね。
Engrish(日本人の下手くそな英語を揶揄するスラング)ならぬLussianです。
そこでがんばったのもあってPDFにするのがむずかしくなったんですよ。
ルビが尋常じゃなく多いので。
カクヨムでもちょっと見づらいかもしれません。
そういう無駄な努力がつまった作品なのですがお楽しみいただければ幸いです。