疑似エッセイシリーズ第1弾の開催です。エッセイの気軽さを残しつつ、ノンフィクションの枷を外すことで書き手としてのイマジネーションとストーリーテラーとしての実力を遺憾なく発揮してもらおうという企画です。
何でこんな企画を思いついたかというと、自分が疑似エッセイを書きはじめたからですね。その際、疑似エッセイというのは、作劇の方法論を試すにあたってうってつけなのではないかと気づきを得たのです。
まずもって、エッセイというのは、小説よりも肩ひじ張らないで書ける。息抜きとして書いている方も多いでしょう。
また、実体験というネタを使える。テーマさえあれば、それに沿った体験を引っ張って来れます。心当たりがないにしても、自分の人生をベースに考えられるので小説よりは楽なのではないかと。
リアリティという縛りもあります。これはむしろ書きづらい要素ではないかと思われるかもしれませんが、個人的にはあらかじめリアリティレベルがある程度きびしく設定されていた方が書きやすく感じます。エッセイに要求されるリアリティレベルを一度体験することで、小説においてもリアリティを付与する方法が身に着くのではないかという目論見もあります。
かように、疑似エッセイというのは書きやすいわけですよ。なので、創作技法を深める、広めるならばまず疑似エッセイを書いてみるのも手かもしれません。劇的で、かつ尤もらしい嘘話。こう書くと、小説の基本そのものでしょう?