けったいなタイトルですみません。一度、リレー小説がやってみたかったんです。そしたら、自然とこの形式に行き着いてしまった。
最初に趣旨を簡単に説明しておくと、みなさんの持ちキャラをコラボさせたリレー小説を書いてみようじゃないかと。それも、普通のリレー小説のように物語が一直線に続いていくのではなく、芥川龍之介の「藪の中」のように解釈を互い違いにさせていく形式にしてみよう、というのが大まかな趣旨です。現代編としたのは、世界観が大幅に異なるとコラボさせづらいという事情からです。
先述したように、この企画はリレー小説というコンセプトありきです。ただ、リレー小説って、一直線に物語が進んでいく話はつじつま合わせが大変なのではないかと。そこで、はっと思いついたのが芥川の「藪の中」です。それぞれの書き手のパートがお互いに矛盾してもいい。むしろ矛盾すればこそ成り立つ形式にすればいいじゃないかと。
と、そこで問題となってくるのが最初のパートの準備です。こういうのは普通主催があらかじめ用意するものなのでしょうが、あいにくととっかかりが浮かびませんでした。と、そこでまたも閃いたのです。そうだ、企画がはじまってから考えても許される形を考えようと。
そんなわけでコラボです。コラボという以上は他人のデータがないかぎりは書きはじめられないわけです。つまり、企画がはじまった時点では最初のパートを用意しようがない。
これだ。言い訳が思いついたぞ、というわけです。これには、あらかじめ設定が限定されることで発想しやすくなるというメリットもあります。しかも、ただのリレー小説じゃなくて、コラボ企画の側面も付与できます。企画としても差別化ができ、お祭り感も増して楽しそうです。まさに一石三鳥の発想だったのですね。
あとはルールを煮詰めるだけです。そこでまたしても思いついたのが、それぞれの書き手にそれぞれの持ちキャラの視点から物語を語ってもらうということです。
持ちキャラというのは、書き手にとっては、簡単なプロフィールには還元できない個性があると思います。コラボは楽しいのですが、そこにはどうしても解釈のずれが生じてくる。
そんなジレンマを解決するのがこのアイディアなわけです。つまり、他人に外部の視点から持ちキャラを描写してもらったうえで、自分の視点、つまり持ちキャラの視点から物語を語り直す。こうすれば、書き手本来の「持ちキャラ」解釈を打ち出せますし、解釈の揺らぎを「藪の中」形式の醍醐味として楽しめる。うおー、これは本当にすごい企画な気がしてきましたよ。
とまれ、まだ未知数な部分もあります。
まず、参加者がどの程度集まるのか。多すぎても問題ですし……どのくらいの数が適正なのかよくわかりません。
また、「藪の中」の形式をどの程度意識したものにするかという点。やはり、物語の中心に何らかの事件があった方がいいのでしょうけど、具体的にどの程度まで内容を限定すべきかわかりません。「藪の中」の手法を用いた某国内ミステリのように「エピソードの末尾で次の視点人物を犯人として告発する(犯人として指名された人物が次の視点人物を務める)」という縛りを設ければかなりわかりやすいのでしょうが、執筆のハードルが上がるような気もします。
また、解釈を食い違わせることが前提なので、キャラ同士がぎすぎすして執筆者同士の間で悪感情が生まれる結果にならないかなあ、という懸念もあります。なので、あんまり深刻な事件を扱うのは避けた方がいいかと。あくまでお気楽な内容にしたいですね。
そんなわけで、企画を開催する前にみなさんの意見が窺いたいなあ、と。参加したいって人がどれだけいるかも気になりますしね。
その企画是非やってほしいという方、参加したいという方、意見・提案がある方はお気軽にコメントしてください。
なお、企画の開催時期はいまのところ未定です。他にもやりたい企画案がいくつかあるので……その間にもうちょっと細部を詰めていければなと。
※10/11追記
よくよく検討してみると、上記のように何から何までがうまくいくような話ではまったくなく、うまいこと企画として成立させるためにはかなりの工夫が必要な気がしはじめています。
とりあえず言えるのは、この形式がリレー小説として簡単かというとまったくそうではなく、通常のリレー小説とはまた全然違う連携能力が問われるものになるのは間違いないということです。
※10/12追記
なんとか企画成立のビジョンが見えてきました。問題は、主催が第一走者として設定とパターンを提示しないとたぶん成立しない企画になることです。まとめ役に徹することも考えていたのですが、そうもいかないようです。