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「心の重さ」投稿、そして青春の記憶

3年前、ブログで公開したものを手直ししました。

自分が描いたものの中では比較的ミステリっぽい話です。

密室も名探偵も登場しませんが、「なぜ」を問うプロットさえあればそれはミステリなのです。たぶん。

『ヘビトンボの季節に自殺した五人姉妹』(ジェフリー・ユージェニデス)や『夏草の記憶』(トマス・H・クック)がそうであるように、たとえ回想であっても、青春のことを語ればそれは青春小説なのです。たぶん。

青春ってなんなんでしょうね。わたしの高校時代の一番の思い出は、16歳の誕生日のことです。

昼休みのことでした。教室のドアを開けるなり、クラッカーが鳴り響いたのです。呆気にとられていると、たちまち同級生たちがバースデイソングを歌いはじめるではないですか。そして、ショートケーキ。さすがにキャンドルこそ立っていなかったものの、それがいわゆるバースデイケーキであることは明らかでした。

家族にだってそんな祝い方をされたことはありません。誕生日を知ってるような友達もいませんでしたし、家に帰ったところできっと何もない、いつも通り本を読んでラジオを聞きアニメを見て寝るだけだろう。そう思っていたのです。

ですから、それはまったくの不意討ちでした。驚きのあまり、パンを口に運ぶ手が止まりました。それと同時に考えたのは、確率の問題です。たしか人が23人集まれば、同じ誕生日のペアが生まれる可能性は50パーセントを超えるのだとか……

わたしはたまらず席を立ち、教室を後にしました。祝福される同級生はとても幸せそうな顔をしていたことをいまでもよく覚えています。

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