備忘録①のついでに、別の作品についても喋ろうと思います。
『ヘウムノに通ずる道』を読んでいない方は、最大級のネタバレになるので読んじゃダメです。絶対ダメ!
https://kakuyomu.jp/works/1177354054881779875 ヘウムノ収容所は、実はヴァンゼー会議より前にガス殺を開始しています。忖度ってヤツでしょうかね。ゾッとしますね。具体的には1941年12月〜1943年3月。
そして、1942年1月のヴァンゼー会議の後は虐殺がより行いやすくなりました。それで、時が経つごとに、殺し方および遺体処理が効率化されるようになり、殺戮も加速していくのでした。
その辺ちょっと誤解されやすい書き方しちゃったかなっていうか……ぶっちゃけ執筆当時はそのこと知らな(ry
いや史実に反するような書き方はしてないから! セーフ!! ノットギルティ!!!
あとどうでもいいですがヴァンゼーのゼーは独語でseeと書きまして、意味は湖です。ヴァンゼー会議の行われた館の前には美しい湖があります。
さて、ガス・トラックの話をしましょう。当初は中が真っ暗闇だったのですが、それだと閉じ込められた人々がパニックを起こして面倒臭いので、後に明かりが取り付けられました。ユダヤ人たちには何も知らされず大人しくしてもらうのが都合がいいので。
もちろんガスが入ってきてからは大パニックになります。人々はこぞって、荷台の後ろの出口に詰めかけます。すると重さが偏ってトラックのバランスが崩れるので、それを防ぐための重さの調整もされてゆきます。
人々が開きもしない出口に詰めかけると、当然グッチャグチャになります──物理的に。要するに、踏みつけられて下敷きになる人が出てきます。
アウシュヴィッツのガス室などでも同じことが起きていました。
弱い人ほど下敷きになりやすくて、親が子供を踏むこともあったとか。極限の状況では人間の醜い部分が出てしまうというのは、よく聞く話……。
で、下の方の人は、ガスで殺される前に、押し潰されて圧死します。何しろ何百人もいますからね。
なので遺体の様子も人によってはかなり凄惨だったはずです。
そして、作中で、到着地にて“荷物”が「ドサッ」と落ちるのは、人々が出口に押し寄せたまま亡くなったからです。荷台の扉を開くと、重なり合った遺体が雪崩を起こすわけです。
普通の荷物を普通に積んでいたなら、ドサッなんてなるわけがないんですよね……。
あと、トラックの速度が速かったなどの理由で、一酸化炭素が回りきらずに、死ねない人がいる場合がありました。その場合は到着した時点で射殺されます。
しかしあまりそのように殺させると、弾がもったいないし面倒だし殺す方の精神ももたないので、全滅した状態が望ましかったものと思われます。
荷台に人々を詰め込む係や、荷台から遺体を運ぶ係は、彼らの同胞たるユダヤ人がやらされています。
捕らえられたユダヤ人の中でも健康で運が良かった(?)人は、強制労働要員として確保されていました。仕事内容は上記の他にも、ガス室への誘導・遺体処理・土木作業など様々。もちろん消耗品扱いなので、待遇は劣悪で、使えなくなったら死にます。
ううっ……。
自分で書いておいてなんですが……怖すぎる……もうやだ……(泣)(←マジで泣いてる)
これだから歴史って……歴史って……ウワアアアアアアン!!
参考文献
クロード・ランズマン監督『SHOAR』(フランス映画)1985年公開、日本語版1995年