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『癒し神』 感想

※現代ドラマ小説『癒し神』(著:南多 鏡)の感想。
 ネタバレありなので、読んでいない人は絶対に見ないこと。
















 まず懺悔せねばなりません。
 この小説、「漫画原作小説コンテスト」の応募作品なのですが、そのコンテストの読者選考期間は8末まででした。
 そのだいぶ前にはフォローした上に読了していたのですが、レビューや感想はおろか、点数を入れることすらしていませんでした。昨日気づいて慌てて点を入れましたが後の祭りです。
 後回し後回しにしていた挙句にこの様という、もはや言い訳のしようもございません。このクソ野郎め!

 それはまぁおいておいて、漫画原作コンテストです。
 少年エース×カクヨムということで、少年漫画だろうという固定観念があり、私自身もジャンプの読み切り(あるいは打ち切り)漫画みたいなものを投稿していました。
 ところが『癒し神』は、青年漫画的な雰囲気があります。まぁ昨今は○○漫画の垣根は随分と低くなった気がしますが。

 作品の概要は、世界のどこかで命を落とした薄幸の少女が神に生まれ変わり、人の悲しみを"掬い"、”救う”、という物語。
 この題材ならばファンタジーでも、いやむしろファンタジーの方が書きやすかったのではないかと思いますが、あえて現代ドラマ枠で書かれたところにこだわりを感じます。
 そして現代を舞台にしたのは、悲劇にリアリティが生まれるという意味で効果的だったのではないでしょうか。
 追い詰められた人の描写には真に迫るものがあり、読んでいて苦しいほどでした。傷はそれぞれ、傷つき方もそれぞれ、癒しもそれぞれ。ということで、描かれたエピソードは二つ(+α)で、どちらも大事な存在を失った人の話でしたが、そこにある微妙な差異が愛おしい。

 惜しむらくは文字数制限というか、時間制限というか、癒し神と女神について描かれている部分が少ないことでしょうか。〆の意味深な一文も気になってしょうがない。
 と思っていたら、続編(コンテスト後統合とのこと)の『癒し神~氷輪の下で~』が投稿されています。
 キャッチコピーもかなり気になるものになっており、今後とも追いかけていこうと思います。

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