「恐らく全てのチームが『ハードタイヤがどれだけ持つか』のスタート前見積もりに失敗」し、レース開始後に「ハードタイヤでスタートしたラッセル、ペレスの様子を見て『30周目でピットストップ。残り41周をハードタイヤ、ノーピットで走らせる』」としたらしきVCARBのギャンブルが当たったのが印象的でした。
20人の中でただ1人ピットストップ1回で走った角田はコース上では1台も追い抜かず、しかし10位スタート9位入賞。
「レースとは出来るだけ遅く走って出来るだけ良い順位に入ること」の典型例でした。
なお、どういうわけか角田ファンが「これで角田>リカルドは明らか!」と叫んでいる声が大きいのですが同じくVCARBのリカルドもハードタイヤでの41周に成功、レース序盤の作戦判断大失敗(ソフトスタート勢に付き合ってしまい、8周目でミディアムタイヤを捨てる)で最下位近くまで落ちてから12位まで這い上がることに成功しています。
角田ファンにはそれが見えない様子ですが。
ピットストップが1回か2回か(タイムロスが24秒か48秒か)、2回ピットのロスを取り戻すためにハイペースで走るかそれとも1回ピットでタイヤが持つペースで走り他ドライバーのペースダウンを待つか。
これはいつの時代にも通じるレース作戦の基本ですが、F1運営の要望によってピレリ社が「故意に『適度に寿命の短い』タイヤを作っている」ことがそれを際立たせています。
しかし「寿命判断ミスを招くタイヤ」はそれ自体が危ないので何か別の方法を考えて欲しいものです。