現実の厳しさが身に滲みたわたしは、絶望していました。
しかし、自分自身の作品に対する考えだけは変わりようがなかった。
「絶対に面白い」「読んでさえくれたら分かってもらえる」
その思いは、常に持ち続けていました。
性懲りもなく、期待もせずに三つ目のサイトに投稿してみました。
「ここでも同じなら、もう投稿なんて止めてしまおう」
そんな気持ちでした。
しかしサイトの仕組みが合ったのか、今までのふたつとは違って、ほんの僅かですが手応えが感じられました。
そんな大きな声で言えるほどの反応じゃないけれど、その時の自分にとっては価値のあることでした。
何千、何万人に読まれている作品や作者さんと比べれば、取るに足らない結果ですが、わたしには希望の光のように輝いてみえました。
「ほんの数人の方でもいい、読んでいただけるのなら続けよう」
そう決心し、ほかの2サイトへの投稿はやめて、細々とそこへの更新を続けました。
週に一度のお店へ持って行く習慣は、その後も続けていました。
そんなときに、わたしはどうすればもっと読んでもらえるのか? と考えました。
ほかのジャンルの作品を投稿し別の読者を開拓すれば、この話しの読者が増えるのではないか。
そう言った相乗効果を思いついたのです。
あくまでも、読んで欲しいのは「聖大陸興亡志」であって、ほかのお話しはそのための方便だと思って投稿し始めたのです。
しかし書いてみると、どれもこれもとても大事な子どものような気がしてきて、適当な気持ちで書くことは出来なくなりました。
いままでまったく考えたこともなかった「短編」も書いてみました。
自分に短篇小説が書けるなど、思ってもいなかったんです。
いろんなジャンルのお話しを、次々と書き出しました。
一度に五、六作品を同時にUPし続けたりしました。
その分、肝心の「聖大陸興亡志」の分量は減ってしまいます。
それでも精一杯、書き続けました。