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【参考写真】「とんシー」この言葉、伝わる? 伝わらない?

当該作品「とんこつTRINITY SEAFOOD!!!」
第33話「関都・シモンジュ」
https://kakuyomu.jp/works/16817330668870675384/episodes/16818023214200482589

小説に限らず文章というものは、読む人に伝わりやすくしなければいけません。
漢字はなるべく開く(=ひらがなにする)。
日常使わない難しい言い回しは、効果的にここぞというときだけ。
専門用語は避け、どうしても使う場合はわかりやすく簡素な説明を。

当たり前のことですが、それでもときどき使用に悩む言葉があります。
本話では「切り通し」がそれです。
「切り通し」はそのまんま、山や岩盤を切り開いて通した道です。
トンネル状に掘った岩盤は隧道(ずいどう)と呼ばれますね。
耳にする機会が減っている言葉なので、山歩きが趣味な人でないと聞き慣れないかもしれませんが、バス停の名称などに使われているケースもあります。

本話に登場する切り通しは、ちょうど添付写真のような地形です。
バリケードを構築しているクーデター軍に対し、戦姫團がどう突破したか。
重鎧をまとったナホが先陣を切り、攻撃を受けたら専守防衛に則り反撃。
ステラやフィルルが壁面を駆け、樹上からはムコやユーノが──。
……書こうかと思いましたが、やめました。
戦姫團の戦いを通読している方には、この添付写真1枚でおおよその展開が思い浮かぶのではないでしょうか。
そこを想像に委ねるのも、シリーズ3作を書き続けている特権だと思いまして。

本話にはあと二つ、判断に迷った言葉がありました
一つは「離合」。
車がすれ違うこと。
添付写真のような場所では「離合困難」という看板があったりもします。
この離合、九州~山口県辺りでしか使われていない特殊な言葉らしいです。
本話に登場するシモンジュ城塞は、山口県下関市にあった下関要塞がモデルなので、まあいいかなと。
セメント云々の下りは、宇部市がモデルですね。

もう一つは「撃船場」。
実はこれ、使うか否かめちゃくちゃ悩みました。
辞書にも載っていない言葉で、読みも「げきせんじょう」で合っているかわかりません。
「げきせんば」かもしれません。
日本軍が敵艦船を迎撃する場所として用いた言葉で、アジア歴史資料センター等で拝見できる軍の資料の中で、しばしば出てくる言葉です。
……ですが、言葉というものは使う人がいなければ消えていく存在なので、本作ではあえて使ってみました。
ガールズラブ剣戟群像劇という好き勝手を詰め込んだ小説ですので、その辺は柔軟にいこう……と。

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