企画コンセプト:『架空の生き物、伝承の起源へと至る魔法使いたちの事件簿』
端的に作品の回し方を説明すると、あらゆるフィクションで登場する架空の生き物、伝承などを各巻1ネタ以上取り上げて『事件の発生→調査→掘り下げ、因縁の提示→解決』の流れを繰り返し、最終的には「主要人物たちの出生、存在理由、因果にまで至る」という構想を立てていました。
以下、『1巻の顛末をまとめたあらすじ』スタートからエンディングまで
舞台は四方を山々に囲まれた地方新興都市、月見ノ原。
月見ノ原大学附属高等学校一年生の鷲宮悠月は、家族と学友たちと共に幸せな日々を過ごしていた。しかし、十月三十一日、ハロウィンの日。実に百五十年ぶりとなる皆既月食――赤い月の到来と共に彼の日常は一変することになる。
突如として現れた謎の敵、外界の亡霊によって父の命は奪われ、妹の玲愛からは視力と記憶が奪われてしまったのである。
悠月は深い悲しみの果てに魔法使いとしての力、極彩色の魔眼を覚醒させる。
悠月は、この事件の終息を図るため一人奔走するも、敵の策略によって絶体絶命のピンチに追い込まれる。しかし、その窮地は同じく魔法使いであるアルメリア・リア・ハートの介入によって阻止される。
彼女はイリーガルリサーチと呼ばれる情報屋を営んでおり、社会の裏側からこうした非日常の現象、霊災を防いで回ることを生業にしていた。
無論、今回の一件は彼女にとっては例外中の例外であった。
こうして、九死に一生を得た悠月は、残された肉親である妹を救いたいという願いから一念発起。アルメリアと協力をして事件を終わらせようと再び行動を開始する。
その結果、今回の事件を引き起こした真犯人は、外界の亡霊ではなくウィリアス・ケネス・イグニスタ。かつてのアルメリアの友にして、今となってはジャック・オ・ランタンとして人々に親しまれているはずの魔法使いであるということを突き止めた。
悠月は、アルメリア他、イリーガルリサーチのメンバーと共闘しウィリアスを討つことを決意する。そうして、向かう十一月三十日、蒼い満月の夜に辛くもウィリアスを撃退、倒すことに成功した悠月たちは、無事、各々の目的を果たすことができたのだった。
悠月は、この一連の騒動をきっかけにイリーガルリサーチに入社する。当面の目的は謎の失踪を遂げた父の亡骸を捜索すること。そして、己が成すべきことを探すために。
かくして、悠月は亡き父の背中を追うようにして魔法使いとしての第一歩を踏み出した。
表向きには学生という立場のままで、魔法使いであるという裏の顔は隠して――