もしわたしが死ななければならないなら
あなたは生きなければならない
わたしの物語を語るために
わたしの物を売るために
一片の布切れと
少しの糸を買うために
(仕上がりは白く、長いテイルの、尾の付いたものに)
ひとりの子どもが、ガザのどこかで
天国をじっと見つめ
炎のなか去った父親を待つあいだに
ー 誰にも別れを告げることなく
自身の肉体にさえ
おのれ自身にさえも
別れを告げなかった父親を ー
その子が、凧を見つけられるように、高く舞い上がる、あなたが作ったわたしの凧を
そしてきっと思う、その瞬間天使がそこにいて
愛を注ぎ返してくれると
もしわたしが死ななければならないのなら
その死に希望を運ばせて
その死をテイルに、物語にするのです
"もしわたしが死ななければならないなら、物語にしてください"
リフアト・アルアライール(Refaat Alareer : 1979~2023)