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こころ遣いも憐みも毛ほどなくて、
恥知らずめ、ぐるりと私を壁で囲んだ。高く厚い壁――。
今は希望をなくし、中で腰を落とす私。
運命が私をさいなむ。思いつめる、私の悲運を、ただ一筋に。
外へ出られたら、あれもしたく、これもしたい。
壁を作られた時に気づかなんだ私の迂闊さ。
だが、築く気配もなかったので、音一つなかった。
こっそりと私を外界から閉め出した奴等め。






          コンスタンディノス・カヴァヴィス(訳:中井久夫)

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