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  弟の秘密

私の誕生日が近づくと
弟はこっそり何かをして
ずっと秘密にしたまま
聞いてもふふんと言うだけだった
けれども或る雨の夜に
弟の泣き声で目が覚めて
訳をたずねてみると
「庭におねえちゃんの大好きな
角砂糖をふたつ植えたんだ
誕生日に大きなお砂糖の木になるように
だけど雨でみんな溶けちゃう」
ほんとにこの子ったら






         キャサリン・マンスフィールド『詩編(1909ー1910)』

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