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    よろこび

おお、萌えあがる朝にはじまる美しき日よ
烈々として壮麗なる大地ほこらかに
めざめたるいのちの香り強くはげしく
存在はすべて酔いしれ、よろこびにおどる。
ありがとう、わたしの眼よ、
すでに老いた額の下でなおも澄んだまま
はるかにきらめく光を眺めうるを。
ありがとう、わたしのからだよ、
疾風やそよかぜにふれて、
なおきりりとしまり、おののきうるを。
すべてのもののなかにわたしは在る、
わたしをとりまきわたしにしみわたるすべてのなかに。
厚き芝生よ、かそけき小径よ、
樫の木々の茂みよ、かげりなき透明の水よ、
あなたがたはわたしの記憶であり、わたし自身となる。
おお、熱き、深き、強き、やさしき跳躍よ、
もしそれが巨大な翼のように君をもちあげ、
無限へとむかわせたことがあるならば、
ひとよ、つぶやくな、不幸な時でさえ、
どんなわざわいが君を餌食にしようとも、
思え、ある日、ある至高な瞬間に
この甘き、おどろくべきよろこびを
心おどらせてあじわいたるを。
君の心が君の眼にまぼろしをみせ、
君の存在を万物のなかにとけこませ、
このたぐいなき日、この至上の時に
君を神々に似たものとなしたるを。

ヴェルハーレン(訳:神谷恵美子)

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