さて、最高の映画だったと言っておこう。
この作品は、ドイツの教室の話だ。そしてこれは、日本の教室の話でもある。この物語には一つのテーマがあるそれが「不寛容だ」。何度も物語の中で出てくるからジッと眺めよう。
監視に対する寛容さがなく、子供に対する寛容がなく、教師に対する寛容がなく、保護者には寛容がない。監視社会の辛いところが前面に出ている。キャンセルカルチャーといってもいい。
そしてこれは、子猿とボス猿の関係に似ていて、バランスを失ったものを執拗に責め、隙があれば逆らうのだ。これは保護者も教師も、そして子供もだ。このとき一番上の地位にいる校長がいるが彼女はいう「私には経験がある。だから私の考えに任せてほしい」
主人公も同じだ。どうにも寛容になれない。みんなが寛容じゃない。そして、あの小さな学園に押し込められている。だからこそ、外へ駆け出すシーンは爽快だ。パソコン持って逃げる子供を追う主人公が最も自由であったシーンだ。あそこで何が変わったのだろうか?
きっとそれは責任だ。主人公はいう「責任」を取らないといけない。私が責任を取ると。この瞬間初めて彼女はボスになった。ボスに戻れた。その返礼が最後のルービックキューブなのだろう。
最高の作品である