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大人と子供の為の:よのなかの話

ある日、外で父親から1000円のお小遣いを貰う。目当てはもちろん、「ガンダム戦場の絆」だ。僕の幼い頃は、500円でこれがプレー出来て、必ずジャスコ(ショッピングモール)に行くとこれをやっていた。

だが、僕は2回プレーすることが毎回できなかった。なぜだろうか?

理由は簡単、1000円の10%の100円が家に帰ると徴収されてしまうからだ。
誰に?それは「フォフォフォっ」と鳴く。ともあれそいつに毎回100円を取られるため
僕は一度だけやった後、後400円しか無いからメダルゲームでもやって遊ぶ。メダルゲームは400円もいらないから結局200円くらい余って家に帰るのだ。

子供は悪どいもので、次にジャスコに行くときに優しい母親に1200円をくれという。事前に払う税金を考えての行動だ。税金は10%の120円だから、手元にあるのは1080円。そして、ガンダムを2回遊んで、満足していると…困ったことに時間が余ってしまう。親はショッピング中でそっちに合流したくない。80円じゃ何もできないのだ。

そして、もう一つ家に帰って駄菓子屋に行くと80円しかないからまた好きなものは何も買えない…しょうがないから20円のガムを4つ買って帰る。棚には150円のパイン缶が並んでいる。僕はあれが大好きなのだ。瞬間…急に懐が寂しくなるのを感じた。もう僕の手元にはお金が1円もない。残ってないのだ。

1000円も貰っていた頃の方が幸せで、1200円貰った今の方が全然前より幸せじゃなくなっていた。少しだけ時間が経つと2回行けるようになったガンダムから段々と足が遠くなっていく。1回の方が幸せだったなと思いつつ、我慢なんかできないから2回行って辛くなる。この繰り返し。最後にはやり過ぎて飽きてしまった。

後から払わないといけない税金不自由さ、そして満足するまで使い切るという不幸せ、これが僕が初めて知った世の中だったのだと思う。

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