辻沼藤虎

　前半と後半で、色合いの変化を意識した演出が物語を映像的に魅せてくれている。 　簡潔で読みやすい文章でありながら、粋な演出まで入れる姿勢に、作者の遊び心が垣間見えた気がした。 …続きを読む

窓からごく自然と山が臨める環境で過ごすとわかると思うのですが、どのような話の形で「山への畏れ」を言葉にし、形に表し、理性で抑え込もうとしても、私たちの心に根付いた「山への畏れ」もし…続きを読む

第４話「霧の夜」まで読了。 「霧」の名を冠するにふさわしい幻想怪奇の物語でした。 鋭い恐怖ではなく、霧のように立ち込めた恐怖を感じながら、私自身もその霧に包まれた気分になりました…続きを読む

少女の独白から始まるこの物語は、ほどよい短さで完結していることで私に驚きを与えてくれました。 手法や結末自体はとても見慣れたものでしたが、それゆえに読みやすく、緩急をつけて到達す…続きを読む

ヘイ！そこのアンタ。そう、アンタだ。 このクレイジーな話で脳内がハッピーなアンタは、陽気なレビューがないかと思って、ここを読んでんだろ？ そうだろ。分かるよ。俺もそうだったから…続きを読む

自分の感じること、考えることが生きていく上で障がいになってしまう。主人公は、そういう人々の中の一人で、これを書いている私自身もその一人です。 名も知らない誰かの視線、心を掻き乱す…続きを読む