「第29話 シオドーラ対策本部」
https://kakuyomu.jp/works/16817330665252301029/episodes/16817330668225116208話の通じない人間が、どうしてそういう人物になってしまうのか。
それについては人それぞれですし、解明できないものだと思っています。
けれど、私なりにシオドーラが変質してしまった原因を今回の話に盛り込みました。
元々敬虔なシスターであること。
聖女になったこと。
教会に祀り上げられたこと。
そして、捨てられたこと。
シオドーラがおかしくなっても不思議ではない、と思いました。
けれど、それはシオドーラの都合であって、メイベルやアリスターには関係ない。
他に被害を巻き散らすものではありません。
それはリアルでも同じで、むしゃくしゃしていたから何をしてもいいわけじゃない。
精神が弱いから、周りを傷つけてもいいわけじゃない。
精神が強い、お金があるんだから、これくらいしてよ、という人はいます。が、よく知りもしない人に、そんなことができるでしょうか。
自分に押し付けてくる人間に、「はい、いいよ」なんてできるでしょうか。
悲劇のヒロインのように見えるシオドーラですが、おかしくなった時点でヒロインではありません。
世の中の追放聖女物語を否定するわけではないのですが、本作は真逆の路線を辿っています。
というよりも、彼女たちとシオドーラの差を見ていただけると幸いです。
一線を越えず、聖女らしい振る舞いがシオドーラにはできたのか、を……。