今日は読書の記録を少し。
『ブルーローズは眠らない』 市川 憂人/著
前作で鮎川哲也賞を受賞しデビューした著者の2作目。前作同様2つの時間軸で物語が進んでいき、最後に思いがけない真実が明かされるという構成。
読者しか知らない情報と探偵側のマリアと蓮しか知らない情報とが明かされるタイミングがとても上手くてどんどんページをめくってしまう。物語の確信である青いバラなどの化学的な知識によって深められるリアリティが、文系の私にとっては興味深くもあり羨ましくもある。
ただ、種明かしのところで明かされる決定的な情報が・・・ちょっとズルいように思った。たしかにそれを言ってしまえば読者の多くが最後のトリックに感づいてしまうような、作者としては隠したい類の情報ではあるけれどでも、なんだかフェアじゃないというか、そこはもう少し工夫が欲しかったかなと感じる部分があった。
小説を書くって、ミステリーを書くって難しい。でも、書きたい。