• 二次創作
  • 異世界ファンタジー

D坂さんゑ

ここに書いても多分気付いてくれる……気がする。
いや、作者ー読者も作者ー作者も交流取れないから、一度レビューつけると追加できないんですよね。それが短編集だとなおさら。
というわけで(?)、こういうことをしたいんだよカクヨムアッピルのために、私信っぽいのは近況ノートに回すことにしました。

でですね、D坂さん。新しい短編を拝読しました。『究極の刑務所』です。
――ごめんなさい! 刑務所の舞台設計と、食事イベントあたりでオチが読めちゃいました……。
多分ここなら盛大にネタバレしても構わんだろうってことでゴリゴリ書いちゃいますが、私もカニバリズム関係は調べたことがあって、フィジー諸島のお土産で買える三叉フォークがモロにソレ用というブラックユーモアあたりは嫌いじゃないです。
おかげでなんだろう、予想以上に画面の黒さが感じられなかった。

どうも、人類史的を一度紐解いてしまうと、「食人」がもつインパクトが実に幻滅してしまうという感じです。自然の摂理、人としての道義あたりを引き合いに出してしまうと、その辺のホラー味もシュールさもなくなってしまう。
食人の歴史的な認識は、道徳観念が揺れ動くものである以上、今現在にいたってもブラックユーモアの域を出ないんじゃないかと、そう思うわけです。

例えば食人が満載の古代中国史なんかでは、笑い事じゃないんですけど、『山賊にとっ捕まって食われそうになった男が、最後に母親に挨拶させてくれと懇願し、一旦逃げることに成功した。男は母親に別れの挨拶を済ませると山賊のもとに戻ってさあ食えと。山賊は見上げた男だと賞賛して解放する』……という「美談」などで目白押しです。
赤ん坊は食べたことないなぁという王の呟きを聞いた料理人が自分の子供を調理して出した天晴れ話とか、自分の肉を夫に食べさせると傷が治ると腕をそぎ落とした妻の話とか、もてなしするために調理した自分の妻を差し出したら劉備に喜ばれたという話もありますね。
大体道徳を解く孔子からして、弟子が塩漬けにされて肉屋に売られるのを見て「私は『もう』人肉を食わない!」と宣言するんですから、人類史はハチャメチャですね。

だから、物語・そして倫理的に食人が恐ろしいものとして描けるのは、やはり嗜好に偏ったタイプの狂人が出てくるか、あるいは自分が食われかねない疑似体験をさせるかのいずれかしかないのではないか。そう思うわけです。

何を言おうとしたんだっけ。
そうだ、そういうわけで、シュールさのインパクトが(私には)不足気味でした。なんとなく、文章と物語の傾向として、のっけから画面の照明が落とされて、「来るぞ、来るぞ」という感じが溢れているので、逆に最後のオチに落差が出ていないのではないかと愚考します。驚かされるのが目に見えているホラー映画、というか。

……あれ、これ、つまり私もD坂さんみたいに歪んでるのかな。
うーん、これは問題だ。僕はなるべく切なくて優しい話を書きます。人が笑顔になれて、優しい気持ちで明日を見つめられるような、そんなやつです。
プリキュアみたいなやつですね。というかプリキュアですね。
うん。

コメント

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