掌編『さらば青春』を投稿いたしました。
本作は『また逢う日まで』とまた違う機会に単発で書いた作品で、以前pixivで公開していたものです。
前のノートで書いた「掌編」はこの作品のことですね。見てみたらほぼ改稿せずに済んだので公開してしまいました。
作中で出て来る「チェリー」はかつて存在した煙草の銘柄です。「のび太のパパの煙草」と言うと通りやすいでしょうか。
ドライフルーツの香りがついた着香の煙草で、私の愛喫していた銘柄でした。
かつてはかなり売れた銘柄で、売上が落ちても根強い愛好家がいたため生き残っていた非常に渋い煙草です。
ですが平成二十三年、震災によって工場がいくつも潰滅したことにより製造が難しくなり、一時発売停止となった後にそのまま廃止されました。
理由が理由だけに気まずく、非常に後味の悪い終わり方としか言えませんでした。
ただこの頃から煙草会社はライト層向けの軽い銘柄をひいきし、ヘビー層向けの重い銘柄を廃止したがっていたので、理由をつけるのにちょうどいいと便乗したのではないかとの疑念が十年以上経った今でも消えません。
もしそうでもあくまで悪いのは会社なので、あの悲惨な震災のことをどうこう言う気なぞさらさらありませんが……。
かなり意地の悪い見方のようですが、それ以降の所業を見ていたらこうもなります。この十年余り、集中的に愛煙家向けの重めの銘柄を狙い撃ちにして立て続けに廃止してますからね。
これだけでも愛煙家は業腹だったのですが、根強い人気があった旧三級煙草(税制上優遇のある安煙草)を理由をつけて廃止、ついでに伝統ある「ゴールデン・バット」を辱めに辱めた挙句に廃止する暴挙に出ました。
「ゴールデン・バット」は日本最古の銘柄、しかも多くの著名人が吸った伝統あるものです。はっきり言いますが、これを廃止というのは越えてはいけない一線を越えてしまったと言っても差し支えありません。
当然、古くからの愛煙家が怒髪天を衝いたのは言うまでもありません。それくらいタブー中のタブーを犯したんですね。
私はこれで日本煙草の不買を誓い、現在はフランス煙草の「ゴロワーズ・カポラル」と葉巻を吸っています。
根強くついていた客を切り捨てて安易にライトな客に阿諛追従するような会社に、金落としてやるほどこちらも酔狂じゃありませんから。