若い人たちと話したり、Twitterを眺めたりしていると、「言葉って変わっていくよなあ……」と、つくづく思うわけです。あ、いえ、今さら私がいちいち指摘するほどのことでもなく、同じ変化は世界中で起きてるわけですが。
特にネットではスラングが生まれては消え、を続けてるわけで、そこから一般用語になるものもあれば、静かに立ち去るものもある。
たとえば「disる」という語句があります。まあ「けなす」といった意味で、数年前からネットで見かけるようになりました。でも、これはたぶん一部を除いてさほど一般化しておらず、テレビで使われるのをほとんど見たことがありません(私がテレビというものをあまり見ないこともありますが)。
ダウンタウンの浜田さんという人が「disる」を使ってるのを何度か見たことがあります。複数回、目にしました。が、彼以外ではほぼ見当たらず、ということはつまりこの語句はやがて廃れるのかなー、なんて気もしています。
で、突然ですが「変態」です。
これはまあ、「(何らかの形で)異常と思える性欲の持ち主」といった意味で使われてきたはずです。ところが今は、下ネタ全般に対して広く使われるようになりました。
たとえば、A君がエロい発言をしたとき。
それに対する罵声やツッコミは、
「このスケベ!」
「エッチ!」
「エロおやじ!」
みたいな表現が王道でした。
そして、このへんの言葉は、いうなれば「エロ度の低いもの」であって、「変態」というのはもっと異常なもの――つまり、「エロ度の高いもの」を指す語句でありました。
が。
今、世間を見渡してみると、(アホな)男子高校生が同級生女子に対してエロい発言を吐いてしまったような場合などには、ほぼ決まって「変態!」という返しが入るのが当たり前になっているようです。「へんたーい!」みたいな軽い表現も含め、かなりの使用頻度だと思われます。
言葉は移ろいゆくのです(笑)
それで思い出したのが「性癖」という語句。これはもともと、「悪い癖」を指す語句(嘘をつくとか、盗み癖があるとか)なのですが、「性的な癖」あるいは「異常な性欲」といった誤用をされるケースがものすごく増えました。たとえば某女優の息子である俳優がそれ系の事件を起こしたときなど、「彼の性癖は~」という語られ方をしょっちゅう見かけたものでした。本来は、「性的志向」などを使うべきなんですけどね……。
なーんて言ってると、「真野ウゼェ」って言われちゃうので、「正しいか、正しくないか」の話はこのへんにしましょうか。
さて、「変態」。
正しい変態の人を正しく罵る場合には、どんな言葉を使うべきなのか。
少々、悩ましい感じがしている今日この頃です。