此糸桜樺

私はずっと一人ぼっちだった。 私の唯一の友達――それは、蜜柑色の妖精だった。

歌の下手なウグイスと、小さなメジロの物語。

幼なじみとの距離感は。 ※Twitter上で書いたものに加筆修正した上で掲載。

俳句〈一句部門〉

――まもなく発車いたします。

璃志葉 孤槍さんの自主企画「自分なりの想像力で彩りを――」の参加作品。 企画概要としては、「璃志葉 孤槍さん作『夜を待つ』の小説に、各々の自己解釈を加えて物語を綴る」というもので…

第1回カクヨム短歌・俳句コンテスト 【一句部門・俳句】 ささやかで特別な、そんな日々。 徒然なるままに書いていきます。

私は山を走っていた。なぜだかは分からない。ただひたすらに山を走っていた。 はたと気が付くと、そこには一人の老人がいた。

儚い。脆い。蜘蛛の糸の如く。 それでも人は光のある方向に手を伸ばす。 それはそれは、心がかき乱されるほどに。

「このぬいぐるみはね、一人につき一つだけ願いを叶えてくれるの」

図書館は「木の匂い」がする。だって紙は木からできているから。 でも、本屋から「木の匂い」はしなかった。

昌泰の変により、大宰府へと左遷された菅原道真。主人のいなくなった家で、梅・桜・松は悲しみに暮れる。 菅家の邸宅に残された家、木、風……。主人のいないこの庭で、ざあっと大空が揺れた…

死期が近づく。四季とともに。色彩とともに。 僕らは、ただ、しきを待つ。 君の人生は笑顔に満ち溢れていた。──僕は君の笑顔の一部になれていただろうか。僕は君を幸せにできただろう…

星の一生は、長いからこそ、悲しく美しいのだ。 ※Twitterへ載せていたものに、加筆した作品となっています。

1話読み切り短編集。 「そうび」とは現在でいう薔薇のことです。 ※この話はフィクションです。 ※時代考証は厳密ではありません。 ※史実をもとにした、いわゆる“歴史小説”ではあり…

「私」と少年は、重い病気を抱えていた。孤独に震える私は、無理だと分かっていても彼にすがりつく。……すがりつく、しかなかった。 ──私を置いていかないで、と。 ──私より先に死なな…