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願わくば、次はどうか。

こんにちは。
初めましての人は初めまして。
城之内です。

突然ですが、UVERworldの「七日目の決意」という曲をご存知でしょうか。

一般的に七日間しか生きられないと言われている蝉に人の一生を置き換えた歌詞が印象的な楽曲です。
色々な生き方、色んな人生を送った人がいて、そんな世の中できっといつか君も僕もいなくなってしまうけど、夢を持って強く生きていきたい……と、何か忘れかけていた大切なものを思い出させてくれるような雰囲気の曲です。

「君は冬の夢を見て鳴く蝉 
 もしその願いが明日叶うと知ったら 7日目を生きたのかい?」

(引用元:https://www.lyrical-nonsense.com/lyrics/uverworld/nanokame-no-ketsui/

もしも明日願いが叶うとして、今日まで一生懸命に生きてきてもう力尽きそうだという状況だった時……果たして自分だったらどうだろうと考えることがあります。


さて、なぜ自分が今日この楽曲の話をしたかと言えば。
今朝通勤しているとき、今まさに土から出てきたというような蝉が、歩道を横断しているところに遭遇しました。まだ体も羽も柔らかそう。どうやら反対側の太い木を目指しているようで、歩道のコンクリートを一生懸命にゆっくり這っていました。
一度通り過ぎたけれど、なんだか気になってその蝉の元へ引き返しました。
轢かれてしまうと思ったから。
だけど結局、自分がちんたらしている数秒の間に目の前でその蝉は自転車に轢かれて死んでしまいました。

本当にあっという間に。

たった数秒前まで元気だった命が、もう亡くなった。
それがなんだか悲しくて、あと少し自分が早くどうにかしていればあの蝉は助かっていたと……。

何年も土の中で生活して、ようやく太陽の下に出て、これから木に登って命続く限り精一杯鳴こうとしていたのに。それも叶わずあの蝉は死んでしまった。

殺したのは人間ですし、人間が日常的に使用している道具です。
人間は常に人間の事しか見えていない。
足元に落ちている落ち葉だって気にしないし、今日の蝉だって目にも入らない。そういう生き物です。
……いや、そうやって生きないと、人間は生きていけない世の中なんだろうな……と思います。もちろん、それは自分も同じです。結局人間は、自分のことで精一杯ですから。

でも、忘れてはいけない。
人間もあの蝉と同じ命の重さです。
体が大きくて、知能があるから勘違いしてしまいますが、命はどんな生物にもたったひとつしかない。

だから自分たち人間も、明日の朝が必ず来るという保証はどこにもない。
今生きていても、死はいつか必ずやってくる。

……それを、なんだか思い出した朝でした。

蝉という言葉が入っていて人生を歌っている曲といえばで、先ほど冒頭に述べた「七日目の決意」が思い浮かんだ今日この頃。



願わくば、次はどうかあの蝉が命を全うできますよに。





それでは。


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