安崎依代

昔から私は、要領が悪くて、どんくさい人間だった。 だから、華やかな同僚を家に上げてから、こんな事態になったことを焦っている。 華やかさんと、地味で黒子(くろこ)な私。 不意に私…

今宵は王子の妃候補を見つけるための舞踏会。しかし主役であるカイト王子の気は乗らない。彼の心にはずっと、10年前に事故で亡くした許嫁が住んでいるから。 しかし、ダンスホールでカイ…

マラソンで言えばゴールテープ。 恋人関係で言えば結婚。 物語で言えば『了』の字。 あたしのゴールはどこなんだろう？ そんなあたしと彼の禅問答。

我は地獄の王である。召喚に応じてこの世界にやってきた。 ……のだが。 「うわぁ！　本当に呼べたぁっ!!」 ……我を呼んだのがこの幼女って、本当ですか？　何かの間違いじゃなく…

聖女。それは最も尊き御方。 そんな聖女様の『秘密のお楽しみ』とは。

『転生』　それは今流行のワード。 でも転生は、１、２回が限界だと思うんだよな、俺。 21回も転生してるから、こんな目に遭うわけよ。 ……そう、『賢者』も『勇者』も『大魔導士…

小説投稿サイト経由の新人賞で商業デビューを飾ったはいいものの、続きは書かせてもらえず、結局サイト版も利権の関係で更新できなくなった私。それでも読みに来てくれる読者への申し訳なさか…

スマートフォン。それは現代科学が生んだパンドラの箱。 ヲタクにとってスマホの中を見られることは、社会的な死を意味する。そのヲタクの方面が、男子高校生的にド健全な方向だったとした…

ヒトは、自分の主観でしか物事を見ることができない。 あなたは、この物語をどう切り取って読みたいですか？

『魔法』が科学的に実証され、『錬力学』という名前で使われるようになって一世紀。 錬力学使いが集う学校に、周囲を騒がせるコンビがいた。 『ライトニング・インサイト』 雷特性の…

社畜な私は、新型ほにゃらら大流行のせいで、久し振りにまとまった休みを手に入れてしまった。 社畜生活にかまけてゴミ屋敷の主となっていた私は、ついに思い至って部屋の片付けを始める。…

『私』と『雪』は、いつだって二人でひとつだった。 『彼』が、私達の間に割り込んでくるまでは。 これは、狂気で、一途な、とある恋の話。

永久の時を生きる『僕』は、昔出会った少女から出された『宿題』の答えを見つけられずにいる。 そんな僕は、『彼女』の末と言葉を交わすことになった。僕に宿題を出した少女……エレーナの…

「うちの殿下の身代金が一億リラ？」 ある日、王子の従者の叫びがこだました。 「ハイトはそんなに安くねぇよっ!!」 一方、王女のメイドは絶叫していた。 「姫様がハイト様を誘…

昨今の【物語不況】によって世界が閉じられることが決定した物語の王女・ローザ。 しかしローザは次の世界への希望に燃えていた。 なぜなら自分は【キャラジョブ：王女】がほとほと性にあ…

※2019年11月24日(日)開催・第二十九回文学フリマ東京に当作品を加筆・修正した作品で参加致します。 ブース№：コ41～42　【copine&copain】にて。 先の少…