「好きな季節はいつですか?」
以前そう聞かれたとき、わたしは迷わず『秋』と答えました。
暦でも体感でも、季節はいまや“秋”。
わたしの好きな季節がやってきたのです。
ーーーあれ? でもどうしてこんなにも秋が好きなんだろう?
ふと、そんなことを考えてみました。
【銀杏(イチョウ)の美しさ】
秋。葉が落ちる前に色が変わる紅葉の中で、ダントツで好きなのがイチョウの葉。
鮮やかな黄色の葉。木ごとに変化の進み方が違うのもかわいらしくて、いつ見ても惹かれます。
【空の高さ】
「天高く馬肥ゆる秋」という言葉の響きが好きで、秋の高い空を見上げるのが好きです。
雲の底辺が揃う様子も、美しくて見とれてしまいます。
露点の影響で雲の底ができるのはわかるけれど、
雲が「こ、これ以上は不可侵!」と、地上を見えない膜で守ってくれているみたいで、なんだかとても頼もしくて、かわいいなぁと見上げています。
【実るほど頭を垂れる稲穂かな】
これが一番の“秋が好きな”理由かもしれません。
“秋に実る稲穂で、人の奥深さや慎みを表す“なんて、本当に美しい言葉だなぁと、しみじみ思います。
わたしも、何かを成し遂げたときほど「頭を垂れる」人でありたい。…まだまだですが。
もう充分に大人になった今でも、そう願います。
常夏の国も極寒の地もあるけれど。
季節が、
『毎年必ず同じだけ、きちんとよっつ巡ってくる』
からこその情緒も感慨も、奥深くてとても好き。
そんな大好きなものたちを噛み締める秋の日。
秋分の日を前に、今夜は新月です。
“実る秋”に心を重ねながら、もの思う時間を過ごしたいです。
写真は数年前の11月、東京で撮った銀杏並木です。
道に敷き詰められた、イチョウの落ち葉たち。
桜の“花筏”のように、何か美しい例えはないのかしら。
“黄葉筏”なんてどうですか?
(そもそも水の上じゃないけれど)
