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近未来田園叙事詩

 あらゆる労働と肉体の苦痛から解放されても、人間というものはある程度の障害物を必要とするようである。VR空間で生活風の作業に従事する姿は、人類の利便性(堕落)のあくなき追求と良い対称である、皮肉すら感じるほどだ。暇は人間にとって最も耐え難いスケジュールだそうである。思えば、空に困ることはない貴族連中が好んで狩に没頭するのは、労働と肉体の苦痛からの解放の副作用からきているのかもしれない。
「獲物? 肉は金で買えばいいじゃないか」
 狩が趣味の人間からすれば、こいつは何もわかっていないのだ。楽しさは、暇つぶしという当初の目的を駆逐する。楽しみに程度の強弱の問題はない。この話をネットゲームにまで拡大する事。

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