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変な夢の話

 時々変な夢を見るのですが、今日の夢は見てる間はなんかフツーというか、人情話の感じだったんだけど、起きて振り返るとこれ怖くねえか? と思ったので、皆さんに共有しておきます。

 俺には妙に賢い息子がいまして。まだ全然赤ちゃんなのに、よく喋るし、トイレとかもすげえ教えてくれるんです。なので、ラクだな〜と思いながら育ててた。そんなある日、いつまでも雛人形を並べてたことに気づいて、いやもう7月だが? と思って片付けることにした。で、片付けると、なんかがポカンと抜けた様になって、赤子が「赤子らしく」というか、気の抜けたようになって、まあトイレも垂れ流すし、全然喋んなくもなる。ちょっと「?」と思う。

 時を同じくして、知り合いの女も忽然と姿を消している。で、全然今まで気づいてなかったが、その女の家は廃墟みたいな家だった。なんか狐にバカされてんのか? と思ってたら、霊能者みたいな人が教えてくれる。

 なんかそのー、霊的な何かに取り憑かれてたと。多分雛人形を出しっぱにしてたのが悪かったんですかね。で、「女」の方は低級霊っつうかなぁ、あんまり自我とかなかったから、それを片付けたら成仏というか雲散霧消して、俺の方も我に返って、良かったね〜という話なんだが、問題は赤子の方で、こっちはずーっとその「霊」が取り憑いてたと。だから賢かったんだね。で、今その「霊」は抜けたわけだから、素の赤ちゃんに戻って、だからこう、「賢さ」も抜けたっつうんですね。

 ふーん。と思ったんだが、そのー、じゃあですよ。これまで俺が「息子」だと思って育ててた存在って、これ「霊」の方じゃあないですか。で、今の「息子」はそれが抜けちゃった状態だから、これまでの「息子」と連続してないわけ。なんかおかしくねえか? と思って。そんで、この「霊」を取り戻す方法はないだろうかと思う。で、俺には見えもさわれもしないんだけど、「霊」に呼びかけてさ。今までの様に。これまで抱きしめてきたように。その思念を送ると、体には何も感じないんだけど、脳裏にまっくろの人型の塊が浮かぶ。で、こう、愛を注ぐつもりになると、この塊が増強するようなイメージをたしかに感じる。ずーっと愛というか、エネルギー的なものを注いでいくと、果たして「息子」は「我に返って」、また喋り出す様になる。

 良かったな〜って思うと、妻が帰ってくる。妻は目の周りがめちゃくちゃに爛れてて、「えっそれどうした?」と聞いたら、なんでも、枕に髪の毛とかが埋まっていて、それが目を傷つけたんだという。でも病院に行って治療したし、枕も変えたから大丈夫という。そっかそっか。治ったんなら良かったね。そう思って俺は、意気揚々と妻に伝える。

「息子」から抜けた「霊」を、息子の中に取り戻したことを。





 そんでそのー、妻のリアクションは聞かずに起きたわけですが、いやちょっと待てよと。何息子から抜けた霊を嬉々として戻してんだ俺は。しかもそのー、思念体状態だとまっくろな塊なんだよ。こわ。あと育ててんの息子だから、「雛人形」ってそもそもなんで飾ってたの? 消えたと思ったら実は廃墟で会ってた女。「枕に髪の毛が埋まっていて、それが目を傷つけたから目の周りが爛れまくってる妻」。これその全モチーフがわりと怖いでしょ。これがですよ、夢見てる俺は平凡な日常の中で起きた人情譚だと思ってんだよな。この感覚と事象のギャップが怖い。
 人情話だと思ってるから「妻」にも嬉々として、俺が霊を取り戻したんだって話してるし。典型的な霊的支配を受けてる人間ムーブをやってしまった。まあそのだから、起きてる時の思考形態と、睡眠時というか低覚醒時の思考形態は実は全然不連続で、俺という「個」が連続してるというのは単なる思い込みなんだよってだけの話なのかもしれんが、なぁんかね。この、渦中にいた時の「フツーのことだよね〜」感が今ちょっと怖かったです。人間ってこうやってその、定型的な思考が崩壊してくんだなというか。妄言を妄言と認識できるうちが華。今はまだそんなにおかしなことを言ってるつもりはないが(どうですか?)そのうちこいつ狂い出したな〜と思ったら、ここにリンク貼って、多分もうこん時言ってた「ダメな方」まで来てます、とか教えてください。よろしくお願いします。では二度寝(というのか?)します。

2件のコメント

  • ぜひ、その見た夢の内容を忘れないうちに、小説にしてみてください。

  • 「そういややったことあったな〜」と思って遡ってみたのですが(https://kakuyomu.jp/works/1177354054888943089/episodes/1177354054888943942 この話、最後の夢以外は全部実際に見た夢を整形したものです)、俺は夢をそもそもホラーだと認識してる感があるのと、ここでも「元妻」のモチーフが出てきていて、なんかこう、フロイトには見せられないなって感じですが、連続性あるんかもなと思いました。

     そのー、祖母が完全にボケてるんですけど、祖母的には「めちゃくちゃ幼い孫(俺)がいる」認識なんですよね。で、コロナなんで全然俺自体も見舞いに行けてませんが、「たまに遊びに来てる」らしい。これはだからボケが見せた「夢」のようなものなわけですが、この話も……ねえ。俺の感じた「怖さ」の焦点ってそこなんですよね。だからこれを小説化できたら面白そうですが、できるもんでしょうか。なんかハマればやってみたいと思います。またはKACに合わせに行きます。
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