ガラナというとみなさんは、スキマスイッチの名曲を思い出すのではないかと思うが、これは本来飲み物の名前で、というのも正確ではなく、正しくは植物の名前だそうである。
で、心臓の弱い人はガラナで画像検索をしていただくのは避けた方が良いと思うが、それなりに自信がある人は一度ここを離れて検索していただくと、まあお分かりのとおり、完全なる「目」である。どうみてもこの植物、呪われているとしか考えられない。ちょっとしたクリーチャーであって、「不屈」と「衰弱」の秘術を持っているので、毎ターン30Gを支払えば他人の領地に呪いをばらまけてかなり鬱陶しい、木デッキ組むならとりあえず入れておきましょう、みたいな見た目をしている。
ところがこのガラナ、煎じて飲むとカフェインがいっぱい入っていて、その飲み物の名称をそのままズバリ「ガラナ」といい、北海道では比較的愛飲されている。というか俺も一時期愛飲しており、ほぼガラナジャンキーと言っても良かったが、医者に「これ以上ガラナを飲むか、死ぬか」と脅され、そこですっぱりやめた。
でもいまだに俺にとって夏は完全にガラナの季節であり、それすなわちラフ(ROUGH)の季節であって、もっと言えばあだち充が支配する季節であって、さらに言えばH2のために存在する季節だと言って間違いない。
ので、H2の2016年度熱狂的再征服(レコンキスタ)(読み直している、くらいの意味です)がはじまったんですが、やっぱ思ったのは、漫画って漫画に適した表現があるよなあというところ。特にあだち充漫画ね。
たとえばさ。
「そんな余裕あるかい」
そう比呂は言って、空き缶をゴミ箱に投げ入れる。
振り返りもせずに、続けた。
「逆だよ。いろンな連中から激励の電報やら電話はもらっているんだけど、どうしてもひとつ足りねえんだ」
光は一瞬言葉を詰まらせ、少し焦った様子で「ちょっとちょっと」と言う。ちょっとちょっと。まさか、わたしに。
「明日応援しろとはいってねえよ」
比呂は光と目を合わさぬまま、続ける。
「今だけでいいんだ。長い付き合いの幼なじみに、一言励ましのお言葉を――」
「今だけっていったって」
「口先だけでもいいぞ」
「そんなの意味ないでしょ」
二人の表情は暗闇に溶けて、比呂が本気なのか、それとも冗談で言っているのか、光には――いや、光には分かっていた。
「わかってる」
と比呂は言った。どこかで花火がポーン、と弾けた。
「口先だけでいいのね」
「そういってるだろ」
「がんばれ、負けるな」
無表情に光は言った。
初めて光の方を見て、比呂は無理に口角を上げる。そして、「OK」、そう言う。
「がんばれ、負けるな」
光は繰り返し言う。
「がんばれ、負けるな」
「もういいって」
「がんばれ。負けるな」
ヒュルルル、と打ちあがった花火が夜空を照らす。
光は涙をこらえながら、比呂の胸にこぶしを打ちつけている。
「……ゴメン」
暗い夜だった。暗い夜はいつでも、誰かの心を傷つけている。
ってなるとちょっとテンポが変わるじゃあないですか。特に花火が邪魔臭い。あと最後の、涙をこらえながら比呂の胸にこぶしを打ちつける、っていうのが、漫画版とは違ってなんかこう……そういうことじゃあないんだよ~的な。分かりますよね? まあ俺の文章力が問題ある、ということは一旦考えないとしてもよ(いやここが大事だ、という気はしますけどね。上手い人が書けばちゃんとこのシーンの良さ、表現できるのかもしれない)。
でも漫画で見るとこの「がんばれ 負けるな」連呼とかたまんねえんですよね。くきぃうぉあー、ってなる。
俺はもう完全に古賀ちゃん派、いいじゃん別に雨宮なんてほっとけば、どうでも、ちゃんと見ろよ古賀ちゃんのことアホかおのれは派、ではありながら、このシーンの雨宮光はいいんだよな~。人は浮気性、と罵るかもわかりませんけれどもね。
多分漫画原作コンテストにかこつけて何かを言おうとしていたんですが、何を言おうとしてたかは忘れてしまったので、H2を読んで寝ます。すみませんでした。反省しています。