ってゲームが昔あって、そんでタイトル通り家を建てるだけのゲームであって、二つのモードが存在し、ひとつはただただマイホーム・ドリームを描き出す。ようするにドリーミーな家を建てるだけのモードでこれは大した面白いことはない。
現実に家を建築しようとするひとであれば、まあそれなりに参考になったりするのかなと思うが、当時10やそこらの餓鬼、その楽しみは分からなかった。あと実は、一度家、たるものの建築設計に携わったことがあるが、これは楽しいってか俺的には苦痛が多く、適当にやってください、ファジーに。フリースタイルで。が通用しない世界は俺には向いてないことがよく分かった。俺には規律と命令、厳しい罰則が必要で、それはつまり俺が愚鈍だからであろう。悲しい気づきではあった。
でもう一つ、申し訳程度のストーリーモードがあって、そっちだと俺は建築会社のヒラ社員かなんかになって、施工主の意向を聞いてそんで施工主のマイホーム・ドリームを実現する。予算とかの兼ね合いがあるんで、すべてのドリーム、を叶えてあげるわけにはいかないが、なるべく夢の世界を見せ、以って金銭を授受する。っていう、それマジのヒラ社員と何が違うのってゲームであるが何が違うかというとひとつは家を建てるには長い時間と工程・建築実務を実際に担当する下請けをどこにするか・地鎮祭はやるかやんないか、やるとしたらそれにどんくらい重きをおくか・餅を撒くか撒かぬか・隣近所に狂人はいないか・その土地に地震や陥没の危険性はないか、と言った諸々の事項を勘案しなければいけないがそのへんをまったく考えなくていい、という気楽さと、もうひとつは施工主がほとんど機械で、てかまあゲームだから機械なんだけど、できた家について機械的に、しかもアホの機械的にのみ判断をするという点が違う。
そんで後者が、極め出すとべらぼうに面白い。
たとえば施工主が、4LDKで、和室を置いて、キッチンには勝手口をおいて、二階には夫婦の寝室をおいて、エトセトラと要求をする。
これらの要求をすべてきちんと満たした場合、この家に玄関がなく、つまり出入りが不可能、またはキッチンの勝手口から出入りをする、あるいは窓を叩き割って出入りしなければいけない。という過酷な設定にしても、ABCのB評価、とかをくれて、完璧に満足はいかないけどまあ、こんなもんすね、みたいなことを言ってくれる。
はっきり言っておくが、こんな家を現実に建てたら欠陥住宅どころではなく、そら施工主は玄関について要望は述べてない、けども、ほれでじゃあ、玄関いらないっすね。って家を建てたらたとえ文書契約の中に玄関を設置する、って文言がなくても、敗訴は必死、会社は馘首の憂き目にあって俺はマイホーム、をレスする存在になってしまうが、そこがこのゲームのいいとこで、なもんで俺は、どこまでやったら施工主がキレるかという第三のモードを勝手に作り、で、二階建てだけど二階に続く階段がない家、一切の窓が存在しない家、トイレの存在しない家などを作ってはそこそこの評価を得て金銭を稼いだのであった。まあこれは面白かった。たまに階段がないから二階に行けない家でA評価をもらったりして俺は腹がよじれるほど笑った。つか今も思い出してちょっと笑いが溢れている。幸せな体験であった。the video game with no nameで取り上げてくんないだろうか。
で。
ここは10年前のアニメについて2日連続で同タイトルの記事を書くスペース、ではなく、読書日記などを書くスペースなので、それを書くが、町田康のギケイキ〜千年の流転〜はめっちゃ面白かった、のであるが、その時に一緒に買って積んでたリフォームの爆発が、ちょっと本当外では読めないくらい面白い。つか今外で読んでて、あーダメだ、これは家でひとりで笑いながら読も、となるくらい面白くて、いやすごい。
この面白さには、しかしマイホーム・ドリームのドリーム体験がちょっと根底にある気がしてて、だから、皆さんにお勧めしたいのは、なんとゲームアーカイブスにあるらしい
http://www.jp.playstation.com/software/title/jp0507npjj00492_000000000000000001.htmlので、それを買って、一通りやる。そんでリフォームの爆発を読む。この二工程を強くお勧めしたい所存である。
いやーPSvitaかぁー。買うかなー。でも、改めて今やってぜんぜん笑えなかったら悲しい、美しい想い出に砂をかけることになりかねないので、思い出は思い出の、夢は夢のままのほうがいいのかもわかんないですね。