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大向こうというものを知り、その精神性に共感する

 数日前に書いた話ですが、星篭の海、読みました。若干のネタバレがありますね。ご注意くださいませ。大したバレではないですと思います。







 「ミステリ」としては、もう御手洗潔が神化してるのでね。本格ミステリは難しいですよね。良く分かるところです。京極堂シリーズが、「いかに榎木津礼次郎/京極堂を封じるか」という構成になってしまっているのと似たような現象なのかもしれませんね。陰摩羅鬼の瑕とかそういう話でしたよね。しかし、おんもらき、で陰摩羅鬼一発変換できるのすげえな。京極夏彦による世界改変ですよね、これどう考えても。

 でもまあ俺はこれは読んで良かったな~~~と思いましたし、探偵ミタライもちょっと観に行っちゃおうかなという感じになりました。まあ、わざわざ劇場で観るかっていうと、DVDレンタルでもいいかな感、なくもないですが。

 というのは、もう、とにかく御手洗潔のサービスシーンのオンパレードなんですよね。とにかくサイコーだったのは最序盤で、まず丁寧に石岡君に振っておく訳ですよね。前振りをしておく。「ヘリコプターに乗ったことがあるかい?」っつってね。
 で、分かりやすくダメ警官にけなされるわけですよ。お前さんみたいなトーシロが出張ったってだめよぉって。その会話の中に、ヘリコプターのプロペラ音が混じってくる。
 だんだんヘリコプターの音が大きくなり、爆音になって、二人は大声で会話を交わしあう! 御手洗が警官を責めたところで、ヘリコプターが到着だ~~! 颯爽とヘリコプターに乗って立ち去る御手洗!

 いよぉ~~ッ! 島田屋ァ~~~!! 日本一~~ッ!

 って、まあなりますわな。それはなる。仕方ないよ。御手洗潔は神格化してるもん。俺の中ではね。
 で、まあ、その、歌舞伎を観たことはないんですけども、歌舞伎でこうやって、いよッ 中村屋ッ! って声を掛けるのは知っている。現象としては知っているのでちょっと調べたら、それは大向こうと言うらしく、起源は400年とか昔に遡ったりもするらしい。まあ江戸時代とかだろうからそうですわな。なにやら技術体系まであるらしい。すげえ。
 でまあこの気持ちが分かるのよ。声を掛けちゃう気持ちね。でたーーー!! ってなる気持ち。でましたー!! ってなるやつ。

 恐竜が出てきたところと、「あまりに明白なことなので、かえって説明できないな」というセリフでもいよぉ~~! ってなりました。

 はー良かった。江戸時代の人間とも共感できたし、勉強にもなった。いいことづくめでありましたね。

 あと御手洗先生と石岡君が異様に仲が良く、そういう意味でのファンサービスも充実しております。島田先生は偉いなあ。ほんとに偉いと思う。読者を楽しませようという気持ちに満ち満ちている。面白かったです。

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