昨晩遅く。
わけのわからない理由で(マジでわけがわからなかった。晩稲な大学一年生みたいな理由だった)呼び出され、知人二人と会食をする。
最初はその、呼び出しをかけた知人をからかって遊んでいたわけであるが、話がもう一人の知人に及んだところでなんというか訳の分からない事態に発展する。
比喩的に言うと、ハゲタカか何かに追いかけられているという話からはじまって、まあそりゃあ大変でしょうけど、不用心に接近するからだよ、という話だと思ったら、その当人はタスマニアンデビルか何かを追いかけているという。そうなってくると話が変わってくるというか、もう少しなんかこう、セキセイインコとかそういうのを捕まえる方向で考えた方がよいのでは、素人なんだし、と提案すると、いや俺だって虫取り網は振り回したんですよ! 何もとれませんでしたけど! と憤慨され、虫取り網だけでは何を狙っているか分からぬと至極もっともな疑問をぶつけるも、何を狙ったかについては話したくないということになり、だとしたら俺の提案を理解してもらっているかどうか分からないじゃあないか、ということでやや一触即発の雰囲気になり、というと険悪な人間関係と、意味のわからん困ったやつに見えるかもしれないがそういうことではなくて、ただただ俺自身は彼が心身ともに健康に暮らしてくれればいいのになあ、とまじめに心配しているのである。
さらにそこに元魔法使いが関与してくるので場は混沌とする。
とにかくこいつらは(書くつもりがあれば)エッセイコンに書けるだけのネタがありそうだな、とついそんなことが頭を過る。
別に羨ましいとかじゃあないが、それで、こんな質問をしてしまう。
諸君は非常に非凡なる人生を送っていて喜ばしい限りである。
諸君からみて吾輩に非凡なるところありや?
いくつかの返答があるが、それは書けないし書いても面白くないやつだと思うので、他の回答を要求する。と、件の不健康に動物を追う男が興味なさそうに言った。
「体重っすね」
あー。と思った。そう、何を隠そう俺の体形は非常におおらかで、まあ、カタカナ二文字で言えばデブ。うぐぐ。つらい。このことを世間に曝け出すのはつらいよお。
でもまあ俺がデブなことにはいくつか正当な理由があんのよ。
ほんとなのよ。マジのやつ。水も漏らさぬやつが。アリのはい出る隙間もない完全な理由があるのよ。信じてちょ~~~だいッ!
ということでデブエッセイを書くかもしれませんね。
で本題はそこではなくて、タイトルの件であるが、そういう会食であったのでなんだか知らぬが盃を重ねる回数も増え、でんでろりんになりながら帰宅する。先日も書いたが酒を飲むと頭痛が痛くなる。ところが俺は薬に弱い。
それで薬局に行って相談をする。
A薬はとにかくダメなんだ(こう説明したとしたら俺の落ち度だが、実際はきちんと正しくどこがどうダメかを説明したのである)と伝えると、B薬を紹介される。これは系統が違うやつなんで、たぶん大丈夫ですと言われる。一応、最初は1/2とか1/4にして飲んでみた方が良いですか? と尋ねるが、なあにを杞憂を言っているのかこのクソデブは、という感じで軽くあしらわれる。そういうものかと思い、帰宅して飲む。
ダメ。今がんがんに瞼が腫れ上がっている。というかさっきまではほぼ開いてないからね。瞼。まあこれを見越して平日は薬に頼らないようにしていて、今日は土曜だから飲める薬があればいいな、チャレンジチャレンジということでやってみて明日はひとに会う予定は特にないのでまあ一日ありゃあさすがにどうにかなると思う、という計画性のある俺は賢いデブだが、薬剤師は許さん。
やっぱ少量から試すべきだっただろうが~~~~ そしたらちょっと目が痒いなとかそういうことで済んで絶対ここまで悪化してない~~~~。それをあの女。こざかしいこと言うんじゃあないよぉ、という感じであざ笑いやがって。
いや正直に言おう。俺はちょっとだけ、こうなる予感がしていた。
ただ半ば、俺は俺の正しさを証明したいがためだけに、1錠まるまる飲んだのである。
どうだこうなるだろうと。少なめから試してみたほうが良かっただろう、とそれを証してやりたい一心で、やばいかなと思いながら一錠チャレンジをしたのである。言うなれば、怒りから。憤怒を原動力として。
で、それで「ほら~~俺が合ってた~~~」と言いながらうんうん呻いている。別にあの薬剤師にそのことをクレームとしていれようとは思わない。ただ俺は、俺が合ってた、俺の判断こそが正しかったことを納得したかっただけだからである。自分の身を不利益に晒してまで。
体重・薬剤に対する反応性・そして精神。すべてにおいて困った体質を持っている、という話である。馬鹿を治す薬、ほしいですね。デブを治す薬も。それで俺だけそれに対してアレルギーを示し、俺だけ馬鹿デブ。辛い。