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短編集「変わるもの」あとがき

 何か変化を得るには代償が時によって必要で、まあ多くの場合その代償は大して重要でない場合が多いのですが、たまにそうでない場合というのが存在します。そうでない場合、に陥ってしまった時、人は喪失感というものを抱えます。それまでの自分とは違ってしまったのだ、という哀愁と、新しい自分になったのだ、という達成感の二つを抱えます。その様子が傍から見れば「立派になった」、「成長した」と映るらしいのです。

 というわけで、「変わるもの」でした。大きな変化をして、意識も心持も大きく変わってしまった主人公がいる場合、本人は前を向いて大きな成長をするわけですが、おいて行かれてしまった脇役は果たしてどうなるのでしょう。そんなことを描いたお話です。しかし、恋情というのはどんなものであっても一番書くのが難しいものですね。精進していきたいところです。

 それでは、この作品と読んでくださった皆さんと、執筆に協力してくださったすべての皆さんに感謝をささげて。

2024.08.31 フルリ

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