青 王 (あおきんぐ)様の作品です。
作品URL
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『魔王が追放!? いいえ、これは家出です。』
ジャンルはファンタジーギャグコメディです。
主人公に明確な目的があるストーリー性のあるタイプですね。
転生してファンタジー世界のショタ魔王になってしまった主人公が、人間族との共存を目指そうとするところから物語は始まります。
でも、部下の魔族をどんなに説得して人間との争いを止めさせようとしても、曲解されまくって、人間滅ぼせな方向へ勝手に盛り上がっていっちまう。
それに嫌気がさしてショタ魔王様、家出をしちゃうわけですね。
で、拾われた先は本来は魔族の宿敵たる勇者パーティっていう。
もちろん魔王だとバレるわけにいかないので、無害なショタの振りをして紛れ込みます。
だが、このパーティ全員、なんかおかしい。
勇者はイケメンだけど、ハムスター並の知能しかないアホの子。
ヒーラーは回復せずに苦しむ味方を見るのが大好きなドS。
魔法使いは火力高いけどフレンドリーファイアしかしない。
戦士はハムスターの度胸しかなく、敵と出合って3秒で逃げる。
役にたたねえ、とんでもねえ、敵より怖い味方がそろったやべえやつらしかいない。
しかも魔族による侵攻が始まってるわけで。
こんなダメ勇者たちに任せておいたら、確実に人間ほろぶぜ。
さあ、人間と魔族の共存を目指すショタ魔王はどうする??
そりゃまあ、ショタ魔王がどうにかするしかないわけですよ。
でも正体ばれたらいけないし、あくまで無害なショタの振りをしつつ、世界を救うしかねえ!
という感じで、読み味は『このすば』+『名探偵コナン』みたいなフィーリング。
各話ごとに笑わせてくれつつ、ショタ魔王が正体ばれないように立ち回る。
それぞれの面白みが絶妙にミックスされてるのがすんばらしいです。
ギャグが楽しいだけじゃなくて、ストーリーの展開ごとに次ぎどうなっちまうんだっていう期待感がどんどん膨らんでいく構成が、しっかり組まれてるんですよね。
コメディのセンスも良ければ、小説としても安定して面白いっていう。
それで作者さんのエッセイも読ませていただいたのですが。
この作品「30分でプロット作れた」とのことなんですね。
それで色々納得いったんですよ。
さくっとプロットが作れちゃうタイプの作品って、その作者さんの持ってる引き出しにジャストミートしてたりするから、あんまり時間かからずに作れちゃう、と私は考えてます。
要するに、作者さんがこれまで積み重ねてきた人生経験とか、読んできた小説、見てきた映画なんかの蓄積が活かしやすい作品の内容ってことで。
作者さんの個性にベストマッチしてる作風ということなんじゃなかろうかと。
それ+で、短時間でプロット組める作品は、その作品の面白みが分かりやすい、っていう傾向があると思ってます。
深い掘り下げや、込み入った設定の説明とかなしに、直感的に、「あ、面白そう」と思える要素ですよね。
これってめちゃくちゃ小説にとって重要なことで、読者に面白さを簡単に理解してもらえるってのは、何より強力な武器になるんですよね。