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「ひとつながりの明日」あとがき

道のりは決して短くなかったでしょう。思うように筆が進まず、涙とともに布団へ潜る夜もあったでしょう。完結という高すぎるハードルに心が折れそうになることもあったでしょう。しかし彼は戦いました。戦い続けました。たとえ折ろうとしても決して折れぬ強い野心が彼を支えていました。こうして彼は今日、最後の舞台に立っています。勝利の女神は彼に微笑むのでしょうか。栄光を手にすることはできるでしょうか。戦いの火蓋が、今、切られようとしています。実況は私、古舘伊知郎がお送りいたします。

はい嘘です。
こんにちはくろとです。
即興で古舘さんっぽく書いてみました。楽しかったです。

「ひとつながりの明日」完結しました。わずか一日での完結! なんて筆が速いんだこのバカは……なんて思わないでください。前述しましたがこれはすでに書き上げているものです。しかもまだ改訂中です。でも細かい部分は変わらないので安心してください。細かい部分が気になる人は、ずっと気にしましょう。人生はそういうものだと思います。

本作はもちろんフィクションであり、大部分が創作であることは事実なのですが、完全な非現実というよりは聞き集めた噂の集合体とも言うべきです。各々に繋がりはないにしても、それぞれの話はいつかの時代に、本当の経験として誰かが語ってくれたことであります(それでも多少の脚色などはありますが)。事実は小説よりも奇なり、を体現しました。お楽しみいただけましたでしょうか?

作中でもある人物が言いましたが、私たちは毎日、ささやかな自殺を繰り返しています。かの作家フランツ・カフカも、小説を書いては焼き捨てていたそうです。書き終えた瞬間に抹殺していくのです。死ぬ間際にも親しい友人に「作品一切の焼却を頼む」と遺言を残しています。彼の小説が愛され続けるのは、そういうところに理由があるのかもしれません。

執筆するたびに殺していく。
いつまでも古びずに、新しい姿であり続けるわけなのですから。

なんか気取った感じだな。
訂正します。

からあげを揚げるたびに、油を換えていく。
いつまでも古びずに、新しい油であり続けるわけなのですから。
ダメだわけわかんなくなった。

それでは、次の機会があることを祈って。

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