いつも投稿作品をご愛読頂きありがとうございます。
今回は2023年も終了間近となったことを受け、今年投稿した作品の振り返りと来年以降の方針を主軸として項目別に近況報告をさせて頂こうと思います。
受験直前であった前回の近況報告でも軽く触れていましたが私は2023年2月に行われた第117回医師国家試験で無事に合格し、2023年4月より晴れて初期研修医となることができました。幸い今現在までドロップアウトすることなく初期臨床研修を続けられており、2023年はその中で小説の執筆を続けてきました。
①「気分は基礎医学」
私の長編小説デビュー作で2020年1月~2022年2月まで連載した「やまいのことわり ~気分は基礎医学~」ですが、2023年2月より全編を加筆修正し各話の構成を大幅に変更したリメイク作品「気分は基礎医学」を投稿開始しました。
旧版であり現在は非公開としている「やまいのことわり」は長編デビュー作であった関係上(特に初期エピソードの)文章が読みにくく、最も長い回で1話1万字以上あるなど読者にフレンドリーな構成とはとても言えませんでした。そのため1話を3000字以下にしてリメイクしたいとは以前から考えていましたが、単純計算でエピソード数が3倍程度になることから作品の修正ではなく新規作品としてのリメイク投稿という形を取りました。リメイクの過程で作者自身これまで気づかなかった展開の矛盾や不自然な日本語を修正することができ、第11回ネット小説大賞では「やまいのことわり」時代は1回も通過できなかった一次選考を通過することができました。
とはいえリメイクを行ったのはただ単に既存のエピソードを読みやすくするためではなく、2021年6月に本編完結、2022年2月にアフターストーリー(やまいのことわり2021)も完結となっていた旧版「やまいのことわり」の続編を書くためでもありました。旧版「やまいのことわり」の本編は主人公である白神塔也の医学部医学科2回生時代、アフターストーリーは4回生時代を描いていましたが元々は附属病院実習(コア・クリニカルクラークシップ)に焦点を当てた5回生時代の物語を別作品として書くつもりでした。
しかし私自身が経験した附属病院実習の1年間はそれ単体で物語にできるほどには充実しておらず、結局は別作品としての続編は諦め附属病院実習のエピソードを一部取り入れた続編をアフターストーリーとして書くことになりました。本来はここで作品自体を終わらせてもよかったのですが私自身にやはり続きを書きたいという気持ちが残っており、さらなるアフターストーリーとして医師国家試験のエピソードと初期臨床研修のエピソードを並行して書くことにしました。
2023年4月から初期研修が実際に始まってみるとあまりの多忙さから中々手を付けることができませんでしたが、2023年10月より自分自身の麻酔科研修に基づいた新作エピソード「死闘! 麻酔科新人少尉!!」(主人公は物部微人)を書き始めることができました。後述する別名義での執筆と麻酔科研修をできるだけ正確に描写する難しさから執筆ペースは遅めになっていますが全体の構想は既に完成しており、今後は山井理子を主人公とした救急科研修のエピソードや白神塔也&壬生川恵理を主人公とした医師国家試験のエピソードも書いていく予定です。引き続き読者の皆様にお楽しみ頂けましたら幸いです。
②「天然女子高生のためのそーかつ」&「最近の女子高生は思想が強い」
ルーツ先生原作・Piyo先生作画の名作コメディ漫画『てーきゅう』の露骨なオマージュ作品である一話完結のドタバタポリティカルコメディ「そーかつ」ですが、『てーきゅう』のスピンオフ作品『うさかめ』のオマージュとして書いていた外伝「一般りろん」を2023年1月から別作品として独立させました。
両者ともに同じような作風と展開で連載中ですが2023年後半よりネタ切れが凄まじいことになり、現在は両者ともに連載ペースが月1回以下に落ちています。元々全体のストーリーや完結の必要性があってないような作品なので今後も気が向いた時(というよりは風刺のネタが思いついた時)に更新していきたいと思います。目指すは「ウェブ小説界のこち亀」(?)
③今年新たに投稿した短編小説
作風(白および黒)と話数を併記して以下に列挙します。なお、2023年には過去に文芸同人誌で発表していた作品を改稿して多数投稿しましたがこれらについては分量が多すぎるため、以下には完全新作のみ記載します。
(黒・全1話)つぶれろ! モギモギくん
(白・全6話)医クラちゃんドロップアウト
(白・全1話)つみたて兄さん ~人生設計は計画的に~
(白・全1話)A・Iが許せない!
(白・全1話)異世界おじさん構文 ~魔王チャン、君の実力はその程度なのカナ?~
(白・現在2話)あれは例の魔法少女イン・ドリーム!
(白・現在2話)医クラちゃんドロップアウト外伝 となりの性癖くん
2022年に引き続いてある程度の本数を投稿することができましたが後述する別名義での執筆の影響で最近はあまり書けていません。とはいえ全年齢向けの短編小説の執筆をリタイアした訳ではないため今後も不定期で新作を投稿していく予定です。
④「大和田行長の無限転生記 ~異世界受験ゴールデンメソッド~」
私にとって初の長編異世界転生ハイファンタジーとして2021年10月に連載を始めた「転生予備校講師は死なず ~剣と魔法の異世界に無限復活チートで学歴社会を造り上げる~」ですが、先述した「やまいのことわり」とほぼ同様の理由でリメイクしました。
これについても続編となる第3章「映像魔石予備校編」の連載に備えたリメイクでもあるのですがやはり本業と他作品の執筆の忙しさで結局書けておらず、2024年にはどうにか書き始めたいと思います。
⑤エッセイ類
私の輪島ライ名義での本業はあくまで全年齢向け小説の執筆ですが2023年にはエッセイもいくつか執筆しました。カラオケにまつわるSS風エッセイ「そこのオタク止まりなさい!」、医学・医療の分野に数多く存在する紛らわしい用語を解説するエッセイ「医のことば」、私自身の医師国家試験合格体験記である「ウェブ小説家見習いの第117回医師国家試験受験記録」がそれに当たります。
エッセイを書くのはおまけ的な意味合いが強いので年内に完結させた「ウェブ小説家見習いの第117回医師国家試験受験記録」以外はスローペースでの不定期投稿ですが、上記エッセイ類は特に「カクヨム」で多数閲覧して頂けているので今後も時間を見つけては更新していきたいと思います。
⑥別名義での執筆
全年齢向けのアカウントからはあえてアクセスしにくくしているのでここには具体的な情報を書きませんが、2023年10月から別名義でR-18小説を書き始めました。現時点で書き始めて3か月も経っていないので手探り状態ですが全年齢向けでは絶対に書けない表現を平気で書けるのは私の作風からすると非常にありがたく、3か月も経っていないにも関わらず既に10作品も投稿できています。全年齢向け名義での執筆を投げ出した訳ではないのですがR-18小説を書くのが今現在非常に楽しいのでしばらくは別名義での執筆が主となると思います。とはいえまたすぐに飽きて全年齢向け主体に戻る可能性もありますのでしばらくは生暖かい目で見守って頂ければ幸いです。
今年の振り返りは以上となります。長編小説の旧作のリメイク、「そーかつ」の外伝「一般りろん」の単独作品化、短編小説やエッセイ類の執筆、そして別名義でのR-18小説の執筆と2023年は初期研修医として働き始めたにも関わらず多岐にわたる創作を行うことができました。
私の本業はあくまで初期研修医なので創作活動は当然仕事に影響のない範囲内になりますが、今後も大切な趣味である小説執筆を細く長く続けていければ幸いです。今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。
輪島ライ