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※ネタバレ注意 桜を愛でれば風が吹くの解説(コンクールのお題「告白する5分前」の参加作品)

主人公: 松井皓、加賀美千桜(17)

5話のサンタクロースは
1.サンタ=防ぎ様のない不幸の具現 が父の命や家族のゆとり、加賀美家との人間関係、千桜との恋人関係、そして皓自身の正しい行動をするための判断力を奪って行った。
2.サンタ=父 父が死ぬことでその死をきっかけに家族のゆとり、加賀美家との人間関係、千桜との恋人関係、そして皓自身の正しい行動をするための判断力を奪って行った。

1と2どちらの意味も掛けています。そして、その後千桜の幸せを奪うサンタ=痛みを誰より知ってるはずの皓自身。

ということを比喩しています。

皓or皓ちゃん呼びから松井君呼びに日記で変化したところもミソ。

桜=千桜で、桜隠しを読んでみてください。雪は記憶を、隠すもの。雨は雪を溶かすので、冷たい雨は消して悪いものなだけではないという考えもできます。
又は、桜に対して雨雪風と幸せに対して困難は多いね、という意味にも捉えられます。どちらでも好きな解釈で。

最後に、題名の「桜を愛でれば風が吹く」ですが、これは「月に叢雲 花に風」という慣用句から取ってきています。
また、この慣用句について、
井伏鱒二氏の「……花に嵐のたとえもあるぞ。サヨナラだけが人生だ」
や、
寺山修司氏の「さよならだけが人生ならば また来る春は何だろう……」
を頭の片隅にでも置きながら読んでくださればまた少し変わってくるかな、と思います。


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