みなさんは、特許庁という役所をご存じでしょうか。そこでは日々、あらゆる分野の発明の、審査が行われているのです。
今日お話しするのは、私が見た、特許庁の職員に関するお話なのです。たぶん信じてもらえないかもしれないのですが、私は勇気をもって、見たことをありのまま記そうと思うのです。
私が特許庁に行ったのは、子供の頃だったのです。職員の家族向けの、職場体験プログラムに参加した私は当時、八歳でした。
まず入り口で、ソーダ味のアイスをもらいました。夏でしたから、嬉しかった記憶があります。
「パパ!」
弟が、父に駆け寄りました。すると驚いた事にその人は、父ではありませんでした。私は周りを見て驚き、叫びました。
「パパがいっぱいいる!」
エントランスには、父によく似た人たちが、うじゃうじゃといました。私は訳が分からなくなり、ロボ犬に足を踏まれている事に気が付きませんでした。怖かったです。