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缶コーヒー

 息子と娘を学校に送っていこうと、車のエンジンをかけると、「おう!1度。」
氷点下の境界線まであと少し。
 近頃、息子を下ろす駅の路肩にはいつも同じ軽自動車が止まっています。
「ヒロシ!」娘が突然窓の外に向かって言います。「へっ?何?」
「あの車の人ヒロシマヒロシ!そう命名する。」 僕「何で?」
「ヒロシって顔じゃった!」 僕「そうなの?」(あれがヒロシってイメージなのか)
 車のリアウィンドに広島カープのステッカーが輝いているからね。
 新しいコードネームが増えたな。

 今日は、「紳士」にも日傘の「ヒライ ミカ」さんにも会えませんでした。白いマフラーの「シロイ マキ」さんは通りすぎましたが、今日はマフラーしていない。
 娘「今日は、マキ(巻き)さんじゃない!」 娘よ・・・。

 僕は、子どもを送ると一度家に帰ります。いつも近くのコンビニに寄るのですが、ここの缶コーヒーの設定温度は異常に高い。よく店員さんは持てるなというレベル。
 熱すぎだよなと思いつつ。上着のポケットに放り込むとちょうどいい。
 少し坂を上って家に帰りつくと、大体この時間に妻は洗濯モノをすでに干してます。
 缶コーヒーを彼女の冷えた手に大体毎日握らせます。妻は毎回奇声を発します。
「ほあああああ。あったかいいいい。」
 まだ熱い。これ、コンビニのオーナーのじいちゃんばあちゃんの愛情なのかな。
 少しでも保つように。作業員の人も多く来るもんね、あのコンビニ。

 しばらくして、缶コーヒーは返却されます。
 机の上に増えたな、飲んでない缶コーヒー。

 そんなこんなで、二作同時進行という無茶をはじめて頭が痛いこの頃です。


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