小説は最初の一行が肝心だ。
なんてことが世間ではよく強調されている。
小説以外でも一行目は肝心なので、最初が駄目なら後はもっとひどい。
最近、私宛に届く怪しげなメールはかなりダメで、一行目から「これはアウト」と言いたくなるものが結構ある。
「尊敬なる納税者様:
国税還付金の電子発行を開始しました。」
これなどはかなり酷い。
日本人なら「尊敬なる」とはまず書かないし、耳にもしないし、書いてもおかしいと気づくべきだ。変な翻訳ソフトみたいなものを使っているのだろうか。
還付金を電子発行というのも頓珍漢で、たった二行で不信感を急激に大きくする技としては、かなりの腕前である。
「国税局からのお知らせ:国税局からのお知らせご担当者様
誠にありがとうございます。
いつもご利用いただきまして誠にありがとうございます。
税務の確認作業を一定の基準に基づいて実施しました結果、確認対象となるべき事由がないことが判明いたしましたことを
お知らせいたします。」
これも結構ひどい。
初手からいきなり「誠にありがとうございます」で、それを二回続けて、「確認作業をしていったら、確認するべき事由がないことが判明」という内容が続く。こうなると、書いている本人も意味がわかっていないのでは。