• に登録
  • 詩・童話・その他
  • ホラー

再読の楽しさの巻

前回は箸休め用の本として、料理、鉄道、映画に関する本などを挙げたが、再読にも精神的に良い作用が結構ある。未知の作品を読む場合は常に「良い」「悪い」の判断を迫られているようで、そのあたりを「保留」にしづらい。

ところが再読の場合はもともと「この本は良い」と認定している作品が中心になるので、読み返して駄目だった場合も、記憶の通り良かった場合も、良い状態よりさらに良くなっている場合も、いずれにしても何らかの発見に結び付く。ある意味、がっかりするのも一つの発見である。

答え合わせのような読書は、ぼんやりした「良い」という印象の細部を確認できるので、そういう読み方はあまり疲れない。

再読の際の本に書いてある内容は、既知と未知の混合なので、それを読むのは運動というよりマッサージに似たものだろうか。安逸で、怠惰で、平和な読書である。

昨日も菊池成孔の本を読んで、ついでに初期の作品を読み返してみると、固有名詞の分量が多く、こちらが理解できる範囲が広がっているので実に面白かった。時間が経っている分だけ、面白さも増すようになっている。

コメント

コメントの投稿にはユーザー登録(無料)が必要です。もしくは、ログイン
投稿する