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「サバイバルファミリー」の巻

前回は「やった!いいこと思いついたぜ!」てなことを書いたものの、実は私の場合、何かいいことを思いつくと喜びの反動で疲れてしまうのであった。

という訳で息抜きにDVDで「サバイバルファミリー」を見た。

ある日、いきなり電気が使えなくなるという設定で、原因不明のまま話が進み、タイトル通り、4人家族が不自由で危険な東京から自転車で出てサバイバルする羽目になる。

この種のサバイバル系の映画や破滅もの、ゾンビものでは大切なものを失ったり、「金やブランド品よりも現物」になるというエピソードはよく見かけるが、〇〇〇〇の中を案内する商売が成立する、という発想は見たことがなく新鮮味があった。

終りの方もきちんと盛り上がって、手堅くまとまっていて面白かった。面白すぎて落ち込むこともなく、退屈すぎて腹が立つということもなく。

ところで、矢口監督はいつも若手の女優を上手く使っている。しかし、誰もが認めるほどの「かわいい」「きれい」レベルでありながら、そこで止まってしまう人と、それ以上の何かを感じさせる女優に分かれてしまう。

朝ドラの主役に抜擢! くらいまで行ったとしても、そこからまた世間が篩にかけて分けるのはとても残酷なことで、ルールが「これ」と決まっていないだけに過酷な競争である。

「かわいい」「きれい」以上のものとは、具体的に考えると「華がある」「教養や知性がある」「人間味がある」「親しみやすい」「トークも面白い」など、身につけようにも修練では身に付かない何かである。

これは小説にも似たようなことが言えるので、「面白い」「すごいトリック」「引き込まれる」「人間がよく描けている」「時代考証が緻密」「発想がとんでもない」くらいのゾーンに辿り着くまでが大変で、その先にもまた結構いろいろあるのだ。

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